10月21日に発生し、震度6弱を観測した鳥取県中部地震は、重症4人、軽傷21人、住宅は全壊2軒、半壊3軒、一部損壊8482軒に及んでいます(31日現在)。
日本共産党の大平善信衆院議員は22日、鳥取県の倉吉市、湯梨浜町、北栄町を訪れ、被災状況や要望を聞きました。29日には、清水忠史衆院議員が鳥取県入りしました。
大平氏は、湯梨浜町の宮脇正道町長、北栄町の西尾浩一副町長と懇談し、一部損壊に国の支援がないことなどを指摘し、「国に支援を訴えていきたい」とのべました。
市谷知子、錦織陽子の両県議と塚田なるゆき衆院1区候補、福住ひでゆき2区候補、北栄町の長谷川昭二町議、湯梨浜町の増井久美町議が同席しました。
北栄町の災害現場では、飲食店を営む吉村君枝さん(81)が「隣の空き家が全壊してもたれかかり、玄関の戸がゆがんで半開きのまま動かない。早く撤去して ほしい」と要望。長谷川町議は「町に早急に対策を取らせます」と答えました。吉村さんは「商品の大半が駄目になったが、近所の人たちのために残った商品で 商売をしている」と答えました。
北栄町の松井繁雄さん(72)は地震が起きたとき、家の仕事場にいました。「蔵が2棟倒れ、土ぼこりが立ちました。電柱が揺れ、電線が縄跳びのように弾んでいました」と語り、近所の倒壊した蔵を案内しました。
塚田氏、市谷県議、佐藤博英倉吉市議は同日、被災した倉吉市の成徳小学校と明倫小学校の2カ所の避難所を訪れ、被災者や市職員から要望や直面している問題を聞きました。
避難所では、食事が配られたものの、水とパンやおにぎりで温かいものがありませんでした。地震当日の21日は暖房がなく、毛布が足りず、翌日の22日になってストーブが出されました。仕切りがなく、プライバシーが確保されず、市職員は徹夜で寝ていませんでした。
河原美津子さん(68)は介護が必要な姉の淳美さん(82)とともに避難。「姉はベッドがないために車イスに乗れず移動できません。トイレは紙おむつで対応しています」とのべ、ベッドを要望しました。
聴覚障害者支援センターでは、ブルーシートの情報がない、避難所に言っても手話通訳がなく、行けないなどの声が出されました。
日本共産党は23日、湯梨浜町の増井久美町議事務所に災害対策本部を立ち上げ、岩永尚之書記長が本部長に就きました。
錦織県議、増井町議が湯梨浜町で、北栄町の長谷川町議と江田加代日吉津村議が北栄町で、塚田候補、市谷知子県議、佐藤倉吉市議、安田共子境港市議、三島尋子日吉津村議が倉吉市、三朝町で被災者を訪問し要望を聞きました。
倉吉市では瓦がずれたり、落ちるなどの被害が多発し、ブルーシートで覆う作業に追われていました。すでに覆われた屋根もある一方で、放置された屋根も散見されました。
屋根が被災した女性(76)は「家の中の壁に亀裂が入り、タイルが落ちた。ブルーシートはもらったが、ようかけん。業者に頼んだが順番待ちだ」と話しました。安田市議は「ボランティアを派遣するよう市に要請します」と答えました。
家の水道管が破損して困っているという男性(76)は「水びたしになった。止水栓を閉めたので水が使えない。修理に10日以上かかる。飲料水は近所から汲ませてもらっているが、風呂に入れない」と話していました。
一緒にいた建設業の男性は、被災した自分の家の屋根は放っといて、他の家のシートかけに走りまわっていると話しました。
23日は、佐藤市議が倉吉市で、増井町議が湯梨浜町で、長谷川町議が北栄町で奮闘。24日は、岩永安子鳥取市議、真壁容子、亀尾共三南部町議、大森正治大山町議、幅田千富美伯耆町議、三島尋子日吉津村議が倉吉市で被災者を訪問し要望を聞きました。
倉吉市では屋根の被害が多発し、ブルーシートで覆う作業が必要です。湯梨浜町役場は建設業協会の業者に頼みましたが、倉吉市では人手が足りず、業者の順番待ちです。ブルーシート張りだけで5万5千円かかった家もありました。
訪問では「住んでいる離れが被災したが、罹災証明の対象にならない」などの苦情が寄せられました。
23日、塚田候補、市谷県議は、県と倉吉市の現地災害対策本部がある中部総合事務所を訪れ、県の西山信一中部総合事務所長、倉吉市の岩本善文企画振興部長に申し入れました。
市谷氏は県、市に対して▽屋根の被害が多発し、ブルーシート設置の支援を▽公的支援のための罹災証明の早急な発行。そのための早急な建物判定と写真撮影の 周知徹底▽一部損壊への支援の検討▽梨被害への支援強化▽仕切りなどプライバシー確保▽紙おむつなどの支給▽被災地への県の支援強化▽視聴覚障害者への支 援などを求めました。
西山局長は「今日、建設業協会の有志がブルーシートを張っている。ストーブ40台を市に貸し出した。罹災証明に必要な建物判 定のための判定士は県だけでは足りない。建築士会や他市、岡山や徳島県に派遣してもらう。県職員を現地に派遣しているが、他の市町村にも頼む」と答えまし た。
岩本部長は、炊き出しの申し出があれば受けるとのべました。
24日は、県の伊澤勇人総務部長に要請しました。
清水衆院議員は29日、倉吉市、北栄町を訪問。岩永県書記長、佐藤倉吉市議、長谷川北栄町議が同行しました。
一行は北栄町役場を訪れ、松本昭夫町長と懇談し被災現場を視察しました。
松本町長は、瓦のはがれた屋根を応急措置するブルーシート張りが追いつかず、自衛隊にも3日間入ってもらったが、業者の手が足りていないと話し、国に対し て財政支援を要望。「町営住宅を8戸無料で提供したい。作業小屋がないと農作業ができないので町単独でも支援したい」とのべました。
一部半壊の松井義久さん(78)の家は倒壊の恐れがあり、中国電力が電線を移動する工事中でした。隣接する自動車工場で働いていた息子(46)は「地震当時は工場にいて逃げられませんでした。いまは、家の解体待ちで10日間かかり、休業中です」とのべました。
店舗兼住宅が被災した吉村君枝さんは不在でしたが、隣の倒壊寸前の家屋は解体工事中でした。左隣に住む娘さんが応対し、「(君枝さんの)家の中がぐちゃぐ ちゃで片付けができず、搬入の期限が明日で困っています」と話しました。長谷川町議が役場に電話して搬入期限が伸びることになりました。
清水氏 は避難所になっている上灘小学校を訪問。上灘小学校には65人の避難者がいます。独居の高齢者が多く、家が立ち入り禁止になったり、家の中が散乱して帰れ ずにいます。被災した女性(71)は「アパートにいて地震にあい、着替えも持たずに毛布一枚で飛び出しました。とても怖くて家におれません。テレビがなく 情報が入りにくいです。温かい味噌汁がほしいです」と話しました。
清水氏は「安心して住める住居が確保できるよう頑張ります」と答えました。
その後、全国の民医連ボランティアを受け入れて活動している鳥取医療生協県中部災害対策本部を訪問。林憲治専務は「医師会は夕方までで。民医連の看護師が 夕方以降訪問しています。独居の高齢者が多く、『話を聞いてくれて癒される』と言われます。精神的に孤立し不安感を強めています。揺れに対する恐怖感が強
く、ブルーシートの順番がこないなどで帰れずにいます。訪問ケアなど、きめ細やかな精神的なケアが必要です」と話しました。
鳥取民医連の中田幸雄会長は「高齢者世帯は経済的にも年齢的にも家を直すのが難しい。市営住宅など安心して住める住居の確保が問題になります。損壊家屋の積雪への対応も必要です。これから寒くなり感染症の予防対策などが必要になります」とのべました。