航空自衛隊美保基地への新空中給油機KC46Aの配備計画問題で12日、その危険性について理解を深めようと学習会(同実行委員会主催)が境港市で開かれ、約110人が参加しました。日本共産党基地対策委員会責任者の小泉親司氏が講演しました。
実行委員会は、鳥取短期大学元助教授の浜田章作氏、鳥取大学元教授の高山寿雄氏が呼びかけ。高山氏は同機配備で、米軍との無法な訓練が横行し、軍事的な標的にされ、戦争の危険を高めると批判し、平和な暮らしを守るために力を貸してほしいと訴えました。
小泉氏は、戦争法成立後の大きな変化として①沖縄での辺野古新基地建設、高江オスプレイパッドの建設強行など、米海兵隊の出撃基地の強化、拡大②南スーダンでの「駆け付け警護」③日本の急速な軍備増強と米軍・自衛隊基地強化④急ピッチですすむ戦争できる国づくり―の4点をあげました。
国連PKOに「駆け付け警護」の定義はなく、(住民保護などの)任務遂行のために武器を使用して戦闘することに他ならず、自衛隊は、そのための実弾射撃訓練を海外でしていると紹介しました。
小泉氏は、空中給油機は戦闘機と一体で運用され、戦闘機のキャップ(空中警戒待機)にはGがかかって限界があり、日本防衛での運用は現実的ではなく、米軍の給油態勢に組み込まれることになると指摘。
自衛隊の空中給油機を米軍のために使うことはすでに合意されており、KC46Aを配備すればアメリカの戦争について行って給油することになるとして、配備反対の一点での共同を呼びかけました。
内陸での訓練の可能性について、小泉氏は「民間機の航路が増加して空路が錯綜しており、米軍の訓練空域が内陸側に設けられるようになっている」とのべ、「市街地上空で空中給油機訓練はしないというが疑問だ」と疑いました。
米国ではF35Bやオスプレイの配備のために何度もアセスを重ねているが、日本では何の調査もせずに配備していると告発。「1機のデモフライトでは騒音を測れない」として、騒音調査など徹底した環境アセスを実施するよう提言しました。
米軍需産業との関連では、事故が多発し不人気で売れないオスプレイやF35Bの開発で斜陽産業化している米軍需産業を救済するために、開発費も含めていい値で買わされているのが日本の実態だとのべました。
大学との軍学共同がすすむ現状について、軍事技術として開発されると軍事機密として扱われて、民間に開放されないので、国民生活が豊かにならないと指摘しました。
日本共産党の錦織陽子県議は、16日に配備反対の会を結成したいと呼びかけました。