【11月20日付】鳥取市でTPP反対集会-鈴木教授が批判

 鳥取市で6日、TPP反対集会が開かれ、東京大学の鈴木宣弘教授が講演しました。


 鈴木教授は、米国では「TPPで賃金は下がり、雇用は減るということが明らかにった。NAFTA(北米自由貿易協定)により500万人が製造業で雇用を失った。労働者よりグローバル企業の利益優先だ」と、反対世論が大きくなっていると指摘しました。


 TPPでは、新薬データの保存期間の長期化を求める米国製薬会社のために、ジェネリックが使えない国民は命や健康、安全が担保できなくなり、中央社会保険医療協議会の薬価専門部会の委員に米国製薬業界の代表が選任され、日本の薬価の公定価格が高騰し、国民皆保険が崩壊する危険があるとのべました。


 米国は「日本が科学的根拠に基づかない国際基準以上の厳しい基準を採用している」として「日本に科学的証明」を求め、「できないなら国際基準に合わせよ」と恐喝し、BSEのフリーパス、遺伝子組み換え食品(GM)の非表示、薬物の残留基準の緩和を主張。


 日本の全農グリーンは、非GM穀物を分別して管理、輸送しているが、米国は日本の輸入農産物の成長ホルモン、成長促進剤(ラクトパミン)、除草剤(グリホサート)の残留、収穫後農薬(イマザリン)、GMの基準緩和を求めており、食の安全が失われると強調しました。


 牛肥育のための成長ホルモン(エストロゲン)は発がん性があり、ヨーロッパでは輸入の禁止で乳がん死亡率が大きく減少したが、日本は輸入許可。ラクトパミンは、ヨーロッパや中国、ロシアでも輸入禁止だが、日本は輸入許可。米国では、乳牛用の遺伝子組み換え牛成長ホルモンが許可されて数年で、乳がん発生率が7倍、前立腺がん発生率が4倍との論文があると指摘しました。食品表示、安全基準、地産地消もISDS訴訟で崩される危険があると強調しました。