鳥取県中部地震で日本共産党県委員会は11月18日と20日、被災地で聞き取りボランティアをしました。
塚田なるゆき衆院1区予定候補と伊藤幾子鳥取市議は20日、倉吉市内で活動しました。
被災した女性(67)は、自宅前の立ち入り禁止の「赤紙」が張られた住宅を示し、「若い夫婦が子どもと一緒に住んでいましたが、今は県営住宅にいて、取り壊しが決まっています」と話しました。
自宅に案内されて入ると、玄関に大きなヒビが入っていました。床がへこんでたわんだところも。「犬がいるので避難所に行けず、母と娘と3人で1週間車中泊しました。蔵の取り壊しだけで54万円かかりますが、お金の問題があり隣の家に待ってもらっています」と話し、屋根や家屋の補修の見通しが立っていません。
墓の被害もひどく、知り合いは墓の修復に200万円かかると言っていたと話しました。
土蔵の崩壊が心配
独り暮らしの女性(90)は「25日まで上北条小学校に避難していました。寒かったです。乾パンやおにぎり一つの食事で水もコップ半分でした」と話しました。
家が傾き、戸が全部動かなくなったため、ジャッキアップして、屋根が5、6㌢ずれたのを応急処置したとのべました。
一番の心配は傾いた蔵です。放置すると危険ですが、お金がかかり、市に解体してほしいと訴えました。
近くには「赤紙」の住宅が何棟もあり、崩れた石垣の上にある土蔵も数棟ありました。
佐藤博英倉吉市議は、新婦人県本部の田村真弓事務局長と被災者を訪問しました。
屋根が被災してトタン屋根に修復した家を訪ねると、主の男性は「屋根瓦でないので2、300万円はかかってない」と話しました。サッシが崩落してベニア板で塞いだ部屋もありました。妻も「墓が全部やられています。見積もりが来ましたが100万円以上かかります。(罹災証明は)ブロック塀や石垣の被害もだめだと言われました」とのべ、支援を要望しました。
市谷知子県議と石橋佳枝元境港市議は18日、倉吉市の被災者を訪問しました。
25年程前に建てた家を取り壊すという男性(73)は、一部損壊と言われたが住めないと話しました。
家の中に案内されると、壁と柱の間に隙間ができて、縦に割れた柱が数本ありました。家の基礎が壊れて床がところどころたわんでいました。解体するのに220万円かかると言います。
「県外の知人から被害が少なくてよかったね」などと電話がかかるが、とんでもないと憤慨します。「市の職員に中も見てくれと言いましたが、見てくれません。外観より内の方の被害が大きい。柱一本直すのに相当かかります」と話し、解体して新築することに決めたと言いました。今は隣の息子の家に身を寄せています。
学問の神様被災し復旧の目途立たず
菅原道真が祀られ、学問の神様として知られる北野神社は甚大な被害に見舞われています。総代の男性(63)は修繕費に5、6千万円はかかるが、氏子が20軒ほどで負担できるレベルではないとして公的支援を求めました。男性の実家は被害が少ないものの、屋根の修繕だけで40万円、全部で100万円くらいかかると言いました。
党岩美支部も聞き取り活動に参加しました。
盛土の擁壁も対象外
宅地の盛土擁壁が壊れて市道が全面通行止めになっているカ所がありました。「赤紙」の張られた鍼灸院兼住宅にいた女性(59)は、28年前に宅地を買って家を建てたが地震で住めなくなったとして、「夜は親戚の家で寝泊まりしています。夫は家で寝ています。いま、夫は市営住宅の抽選に出かけています。擁壁を自費で直せというのは、おかしいと市と交渉しています」と話していました。
屋根も被害が深刻
地震3日後に屋根を直したとして男性(72)は「地震当日は何ともなかったが、日が経つにつれて瓦がずれてきました。古い瓦が使えたので150万円程ですみました」と話していました。
屋根を修理中だった女性は、古い家なのでひびが入り、風呂や台所が壊れたとして、「余震が怖いので夜は玄関で寝ています」と話していました。
屋根の被災が多く、400万円かかると言われた家もありますが、屋根の全壊だけでは15%にしかなりません(半壊は20%以上)。蔵や墓の被害が多く、蔵の解体や墓の修復に数百万円かかるケースもあります。