さよなら島根原発ネットワークと島根原発3号機訴訟の会は2月18日、米子市で原発防災講演会を開きました。原発事故時の放射性物質の3次元拡散シミュレーション(流体モデル)ソフトを開発した環境総合研究所顧問の青山貞一氏が講演しました。
青山氏は、緊急防護措置を要するUPZの30㌔圏は風向、風速、地形を無視したもので現実を反映していないと指摘。巨額を投じて開発されたSPEEDIは風向きが変われば、次の計算に1時間がかかり、事実上お蔵入りしたが、流体モデルを使えば、瞬時に計算できると説明しました。
地形の模型と煙を使って行った風洞実験と流体モデルによる汚染物質の3次元シミュレーションの結果を比較し、両方がほぼ一致したことを確認したと、有効性を強調しました。
国際的な年間被ばく許容量は1㍉シーベルト(毎時0・114マイクロシーベルト)だが、福島県内は超える場所が多いとのべ、最も恐れるべきは生物濃縮で、「カモメやウミウから環境中の濃度の2500万倍の汚染が確認された測定結果もある」と強調しました。
島根原発事故時のシミュレーションでは、原発近くの鹿島アメダスの観測によると、1年を通じて、まんべんなくどの方向にも風が吹いており、風向の予測はできず、事故が起こった時点で測るしかないと指摘しました。
シミュレーションの結果、原発近くの小・中学校は最大で214~339マイクロシーベルト毎時、境港市役所は26マイクロシーベルト、米子市役所は6・3マイクロシーベルトだったと報告しました。