鳥取県の年金者組合の組合員ら42人が国に年金減額分の支払いを求めた訴訟の第3回口頭弁論が5月26日、鳥取地裁(藤澤裕介裁判長)で開かれました。
原告団の山本昭義副団長が意見陳述し、自らの200万円余の年金と妻の年金で、野菜などを自給し、玄米菜食で質素な暮らしをしていると紹介。年金の2・5%減額は、高齢者にとって大きな痛みだと批判しました。
年金給付額は県民所得の2割を占め、2・5%カットは約56億円の県民所得の喪失になり、地域経済にとっても打撃だと指摘しました。
さらに、年金給付額を毎年削減するマクロ経済スライドは、生活保護基準に満たない低年金者にとって痛手だと批判。マクロ経済スライドをやめ、最低保障年金制度を創設するなど、生存権を保障する憲法25条にのっとり、国の責任で高齢者の生活を保障すべきだとのべました。
被告側の国は、原告に対し、25条は努力目標であり、どのような立法措置を講じるかは、立法府の広い裁量にゆだねられているなどと反論しました。