【6月11日付】鳥取県母親大会 共謀罪も改憲も止めよう

 鳥取県母親大会が5月28日、琴浦町で開かれ、約150人が参加しました。大会アピールを採択し、憲法9条の改憲、共謀罪の強行を許さないたたかいを呼びかけました。


 平和フォーラムでは、「住民目線で政治を変える会・山陰」の福島浩彦共同代表が講演し、日本共産党の安田共子・境港市議が航空自衛隊美保基地への新型空中給油機配備に対する反対運動、田中福美さんが沖縄の米軍基地建設反対の現地の活動を報告しました。


 福島氏は、安倍首相が打ち出した「憲法9条の1、2項を残したまま、3項に自衛隊を明記する」との改憲について、「現行憲法で禁止されている集団的自衛権の行使を全面的に可能にする狙いがある。戦力不保持、交戦権否認の2項は形骸化する」と指摘し、反対しました。


 その上で「南スーダンPKOへの駆け付け警護、美保基地への新型空中給油機配備、共謀罪、9条改憲と戦争する国へすすみつつある」と指摘。自民党改憲草案について「公の秩序=国家の秩序という人権の外にあるもので人権を制限しようとしている。公共の福祉は基本的人権の枠組みの中にあり、公の秩序や公益が同様のものだというのは胡麻化しだ」と批判しました。


 今度の総選挙は、9条改憲が大きな争点になるとして、野党がまとまって経済政策も含めた政権構想をまとめて、野党の方がいいと国民に思ってもらえることが大事だと提案しました。


 岡山県労働者学習協会の長久啓太事務局長が記念講演を行い、個人の尊厳を大切にする政治、社会、経済の実現に向けて、女性差別、劣悪な労働環境や年金水準、貧富の格差の拡大などの現状の変革を訴えました。


 数々の指標をあげて、日本の後進性や格差の拡大について次のように指摘しました。


 「男女平等指数1位のアイルランドの場合、賃金格差は8割台に接近▽国会議員の48%は女性▽企業役員の4割以上が女性(男性)となっている。


 日本では、被雇用者の4割が非正規労働で、そのうちの7割が女性で、女性労働者の大半が非正規労働(女性57%、男性21%)であることが賃金格差の最大の要因になっている。


 その背景に、女性労働者の過半数が第1子出産時点で育児休暇を獲れず、職場をやめ、再雇用がパートなど非正規になっている▽育児に専念することが女性に求められ、しかも、家事・介護も背負わされ、男性の家事・育児への参加が非常に少ない▽「母性」イデオロギーによる母親の育児責任論と父親排除がある▽経済格差が家庭内格差に影響―などがある。


 年金水準は、現役時の収入の35・1%で、オランダ90・5%、フランス55・8%に比べて劣悪。退職後は低所得で暮らせというのは、人権侵害であり。現役時代の水準を保障するのが本来の国のあり方。人権感覚は放置すると降下し、人間は劣悪な環境に順応するため、民主主義も人権感覚もトレーニングする必要がある。


 安倍政権の4年間で資産1億円以上の人は190万人から270万人に増加の一方で、貯金なし世帯が3割になった。社会保障は連続縮小、高すぎる学費と有利子奨学金の返済に若者は苦しんでいる。民意を無視して原発再稼働、沖縄新基地建設強行をしている。


 国民の命と人権、生活を置き去りにする安倍政治を変えないといけない」
 共謀罪についても「人々の内心、考えていることが処罰の対象になり、盗聴されるため、自由にものが言えなくなる。自分の意見を表明できなければ民主主義は成立しない」と批判しました。