日本共産党の大平喜信衆院議員が5日、広島市で志位和夫委員長とともに訴えました。
大平氏は、原爆死没者を悼み、被爆者や遺族の苦しみや悲しみに心を寄せ、核兵器を違法化する核兵器禁止条約が採択された国連会議について報告しました。
大平氏は2つのことを訴えました。
その一つは〝被爆者が体験した地獄を会議参加者一人ひとりが我がこととして受けとめ、核兵器の非人道性を肌身で感じ、どんな理由があろうとも核兵器を持つこと、使うことは決して許されない、完全廃絶を一日も早く実現させなければならないと決意したことです〟とのべました。
1歳の時に広島で被爆し、奇跡的に生きのびた藤森俊希さんが国連会議で「同じ地獄をどの国の誰にも絶対再現してはならない」と訴えたことを紹介しました。
それに対して、エレン・ホワイト議長が最後に「ヒバクシャは筆舌に尽くせない非人道的な事態をいかなる人に対しても2度と遭わせてはならないと教えてくれた。今日私たちは世界に向かって言うことができる。ついに核兵器禁止条約ができた、と。ありがとう」とあいさつ。条約前文に「核兵器のあらゆる使用がもたらす破滅的な人道的結果を深く憂慮し」「ヒバクシャにもたらされた容認しがたい苦難と損害に留意し、」「核兵器のいかなる使用も人道の諸原則および市民的良心の命ずるところに反することを再確認」するなどと書き込まれたと報告しました。
世界各国の政府代表が被爆者の努力に感謝し、核兵器廃絶を決意した感動を語りました。
もう一つは〝被爆地ヒロシマはじめ、日本全国、全世界で平和な世界をと願う市民の行動それこそが政治を動かし、この条約をつくる大きな力になったということです〟とのべました。
「市民社会はこの交渉の道義的な羅針盤を示した。交渉の真の同僚だ」(チリ代表)、「市民社会は強力な条約をつくるうえで、重要な貢献をした」(ブラジル代表)、「この歴史的成果は、市民社会の積極的参加抜きにはありえなかった」(エジプト代表)と各国の声を紹介。条約前文にも、私たちは核兵器の完全廃絶にむけて市民社会の役割を強調すると書き込まれたとのべました。
日本国内の一人ひとりの署名、60年の平和行進の一歩一歩、原水爆禁止世界大会や全国の取り組み、そのすべてが積みあがって巨大な力となり、非核保有国政府とスクラムをくみ、核大国を震え上がらせる核兵器禁止の国際ルールをつくりだしたと強調しました。
最後に次のように訴えました。
「この歴史的瞬間、画期的な条約の採択の場に、日本政府・安倍政権は欠席をしました。世界中からも失望と怒りの声が寄せられました。被爆国政府として、あまりにも情けない、恥ずかしい、許しがたい態度ではありませんか。安倍政権は核兵器禁止条約に署名せよとこの被爆地ヒロシマから大きく突き付けようではありませんか。
それでも被爆者たちの訴え、ヒロシマ・ナガサキの声が聞こえないのであれば、そんな政権はもはや退陣に追い込む以外にありません。解散総選挙に追い込んで安倍政権を終わらせ、核兵器のない世界の実現へ文字通りの先頭に立つ、非核の政府をつくるために、皆さんご一緒に力をあわせようではありませんか」