鳥取県の年金者組合の組合員ら42人が国に年金減額分の支払いを求めた訴訟の第4回口頭弁論が8月4日、鳥取地裁(藤澤裕介裁判長)で開かれました。
原告団の門脇英隆氏(77)が意見陳述しました。
門脇氏は夫婦2人の暮らしだが、妻1人の暮らしになったら苦しくなるとのべ、相談を受けた独身の男性(68)の事例を紹介しました。
門脇氏によると、男性はハウス栽培篤農家として生計を立てきましたが、母親の介護のために農業に専念できなくなり、収益が激減し、借金を抱えました。母親の死を機に、土地、家屋、農地を売却し、借金を返済。現在、年収は国民年金85万円とシルバー人材センター労賃57万円で、家賃や水道光熱費、保険料に56万円かかります。
門脇氏は、やがて労賃が入らなくなれば、年金だけでは生活ができなくなるとして、まともに暮らせる年金を求めました。
口頭弁論後に、原告団弁護士の高橋敬幸氏がやりとりについて報告。国際条約である社会権規約は、国内法的効力があって直接適用可能(憲法98条2項)であり、年金の減額は規約の(権利の)後退禁止原則に違反し、さらに憲法の財産権、幸福追求権に違反すると主張しました。