【11月12日付】日本共産党鳥取県委員会は4日、総選挙の結果について以下の声明を発表しました。

総選挙の結果について

 一、総選挙でわが党は、安倍暴走政治の退場を掲げ、市民と野党の共闘勝利と日本共産党の躍進の二つの目標の達成をめざして全力を挙げました。市民と野党の共闘では、立憲民主党、社民党を含めた共闘勢力は38から69に議席を伸ばし、立憲民主党が野党第1党に前進する重要な成果を上げました。これは、希望の党によって持ち込まれた分断と逆流を乗り越え、市民と野党の共闘で政治を変える新たな展望を示したものとして、歴史的意味があるものだと確信します。もう一つの日本共産党自身の躍進は、沖縄1区で「オール沖縄」でたたかった赤嶺政賢さんの再選で、小選挙区での貴重な議席を確保しましたが、比例区では中国ブロックで大平さんの議席を失うなど、20から11に議席が後退する結果となりました。県内の小選選挙区も、1区で2059票減、2区で前回並みとなり全体として残念な結果となりました。


 選挙戦の中で、安倍政権への強い批判と一体に、共産党への注目と期待の広がりを日々実感しましたが、それを得票に結びつけることができず、私たちの力不足を痛感するものです。


 共産党をご支持いただいた県民のみなさん、わが党の前進のために昼夜を分かたずご協力いただいた後援会員、読者、党員のみなさんに感謝申し上げるとともに、期待に応えられなかったことを、県委員会として心からお詫び申し上げます。


 中央委員会常任幹部会声明を踏まえ、党内外のみなさんの声をしっかり聞いて、選挙戦の総括を深め、2019年の統一地方選挙と参院選、その間の中間選挙をはじめとした今後のたたかいにいかし、捲土重来を期す決意です。

 一、今回の総選挙は、暴走を続ける安倍政権への強い批判を背景にたたかわれたところに、最大の特徴があり、自公の与党は県内でも比例票を合わせて5000票減らしました。小選挙区の1区で石破氏が得票を全自治体で伸ばしたのも、同氏の反安倍姿勢が評価されたことが要因の一つだと思われます。共産党は安倍政治への最も断固とした批判者として論戦の先頭に立ち、暴走政治を追い詰めるうえで大きな役割を果たしましたが、安倍批判票の受け皿は比例では立憲民主党や希望の党となり、両党の得票合計が自民党を上回る結果となりました。


 自民党は2000年以降、総選挙の比例票を毎回連続的に減らし、2000年比で2万7807票減77%に後退しており、公明党が2003年から毎回連続的に減らしていることと合わせて、与党勢力の凋落が今回も止まらなかった点は重要です。これはメディアが煽る「自民党大勝」が事実と違い、民意を歪める小選挙区制度によってつくられたものであることを示しています。

一、野党共闘は、選挙直前の希望の党の誕生と民進党の合流・解党方針によって、重大な困難に直面しました。県内でも2区の湯原候補の希望入りで、合意目前だった野党共闘が破綻する結果となりました。突然生まれた逆流に対して、市民と野党の共闘の旗を掲げ続け、立憲民主党の誕生を受けて小選挙区で67人の候補者を降ろした1本化の努力など、わが党のこの間の対応は、野党共闘勢力の前進という嬉しい結果として実りました。この決断と対応は、安倍政権の退場を願い、市民と野党の共闘の発展を切望した人たちから歓迎され、県内でも「志位委員長には、日本を守るための身を捨てる覚悟を感じました。共産党は常に市民の立場に立って考えていると感じます」(山中幸子えねみら・とっとり共同代表)など、熱い共感の声が寄せられていることは、私たちが最も誇りにすることです。


 県内の野党共闘は、市民と共産、社民、新社会の3野党の合同街頭アピールなど、限定的なものとなりましたが、無所属の長谷川県議や市民運動のメンバー、無党派の文化人など幅広い方たちが、野党共闘をぶれずに進める共産党の前進をと、これまでにない関わり方で力強く支援していただいたことは、今回の選挙戦の特筆すべき特徴となりました。より強まった他の野党との信頼関係や、新しい友人が広がり、無党派の方たちとの絆が強まったことなどは、開始された共闘時代の今後を展望すると、政治革新の事業とわが党にとってかけがえのない財産になりました。

 一、私たちが選挙戦で訴えた、安倍暴走政治ストップ、北朝鮮問題は対話で解決、消費税増税ストップとアベノミクス転換で暮らしを支える経済政策を、核兵器禁止条約批准、原発再稼働をやめて原発ゼロに、そしてなかでも憲法9条改悪を許すなの政策は、今後の国政で一層重要な政治課題になることは間違いありません。私たちは、国会内外で市民と野党の共闘を強め、草の根のたたかいを強化して公約実現に全力をあげる決意です。


 同時に、比例票を後退させ議席を失うなど期待に応えられなかった問題について、論戦や組織活動など選挙活動の問題、激動の情勢に対応する機関や支部の臨戦態勢や、より根本的な党の自力の問題などについて、多方面から教訓を汲みつくして今後にいかす必要があると考えています。さらに、常任幹部会の声明で、野党共闘をすすめる中で党の躍進をかちとる上での、新しい探究の課題として提起された二つの点―①どんなに情勢が揺れ動いても党を丸ごと支持していただける方を広げるために、「綱領を語り、日本の未来を語り合う集い」の開催、②世代継承と党の自力の強化―が求められることは、選挙をたたかった多くの党員の実感です。この二つの方向での探究をすすめ、統一戦線で政治を変える時代の本格的始まりに対応する、新たな党躍進を必ず実現する決意です。

2017年11月4日
日本共産党鳥取県委員会