市民エネルギーとっとりは2月18日、鳥取市で「震災からの復興×農・食×エネルギー」対話集会を開きました。
福島農民連の佐々木健洋事務局長が「農業+エネルギーで持続可能な農村に挑戦」と題して講演。㈱みんなの牧場の鎌谷一也会長、とっとり震災支援連絡会の川西清美代表、グリーンコープ生活協同組合とっとりの小椋あけみ理事長が取り組みを報告しました。
佐々木氏は「福島原発事故による農業被害は風評被害ではなく実害だ」と指摘した上で、「土壌は放射性セシウムで汚染されているが、セシウムは土壌に吸着されて農作物への移行は限られ、ほとんどが検出限界値以下だ」とのべました。
各地で組合員や全国の支援者が出資してミドルクラスの市民共同発電所(太陽光発電)建設に取り組み、今年中に8300㌔㍗に達すると報告。家庭の消費エネルギーの半分以上は給湯、暖房などの熱だと指摘し、薪ボイラーや薪ストーブを普及させ森林資源の活用をすすめていると紹介しました。
日本は国土の7割が森林でヨーロッパ並み(再生可能エネルギーの半分が木質)に木質バイオマスを使えば、大きく再生可能エネルギーを伸ばすことができるとのべました。
さらに、家庭部門だけで電気・化石燃料費(自動車を除く)として年間275億円が福島市から流出しており、森林資源や自然エネルギーの活用でお金を地域で循環させたいと強調しました。流出額は福島市の農業粗生産額210億円を上回るとのべました。
また、耕作放棄地や避難区域内農地を活用した農業用小型バイオガス施設やソーラーシェアリングに挑戦する計画だとのべました。
※ 農業用小型バイオガス施設は、デントコーンやソルガムなどの飼料用作物やサツマイモを栽培し、破砕・サイレージ化、乳酸発酵の前処理をした上で、メタン発酵させ、発生したガスを燃やして発電する。発生した液肥は圃場に還元し、発生した熱はハウスの暖房や給湯に利用する。
ソーラーシェアリングは、上部に設置した太陽電池を使って発電し、農地で作物を栽培する。電力は生協出資の新電力会社に供給し、作物は生協に供給する。