鳥取市で2月2日、日本海海洋資源フォーラムが開かれ、鳥取大学大学院のメタンハイドレート科学講座の海老沼孝郎専任教授が講演しました。
海老沼氏は、日本海側のメタンハイドレートは表層型で水深500㍍以上の海底に露出して塊として存在し、水深約1000㍍の海底下の地層の中に砂と混在する太平洋側の砂層型と比べて、取り出しやすいと指摘しました。
表層型はガスチムニー構造で地下の深いところから立ち上るメタンガスが海底に達する付近でハイドレート化(水の分子の籠にメタンの分子が入っている)し、資源回収の方法(※)として、掘削して浮上させる間に気圧の減少、温度の上昇で分解ガス化(0度で26気圧以下、5度で50気圧以下、10度で76気圧以下、20度では275気圧以下で分解。ガス化で体積が165倍になる)したものを回収するなどの方法を示しました。
※ ガスチムニーからは常にメタンガスが発生しているため、ガスチムニー上に断熱膜を張って、メタンガスを回収する方法が有力。メタンプルームは300㍍~900㍍の柱となり、大気中にメタンを放出しているが、資源とみなされていない。二酸化炭素の25倍の温室効果があるメタンガスのハイドレートが、地球温暖化で海水温が上昇すると一気に分解ガス化してしまう。日本国内の資源量は日本が消費する天然ガスの10年分程度だが、フォーラムでは環境面からも資源として回収することの重要性が指摘された。