鳥取県消費者大会が10日、米子市で開かれ、約80人が参加しました。著書に「下流老人」などがあるNPO法人ほっとプラス代表の藤田孝典氏が貧困問題について講演しました。
藤田氏は、日本の貧困(相対的貧困)の問題は、労働分配率の低さにあり、賃金だけでは暮らせなくなっていると指摘。自立できない若者に、ヨーロッパでは住宅手当を支給し、教育、医療、保育を支援し(無料か低額)、少子化が止まっているとして、空き家の提供を訴えました。
家計支出に大きな比率を占める教育費は、日本は断トツに税金の投入が低く、家族の負担が大きいとして、社会保障の所得の再分配機能が極めて弱いと告発しました。
高齢者の2人に1人は貧困ライン以下で、「下流老人」の特徴は、①収入が少ない②十分な貯蓄がない③頼れる人がいない―ことだとして、貧困世帯の特徴と重なると指摘。「孤立を防ぐ食事会」を提唱しました。
また、統計は平均値で見ると実態がわからなくなるとして、平均寿命男性80・75歳→中央値91・92歳、女性86・99歳→94・95歳で、思った以上に長生き▽貯金の平均値→中央値で、20代184万円→0万円、40代588万円→200万円、50代1128万円→500万円、60代1509万円→650万円で、思ったより少ないと指摘しました。
県生協のくらしのサポート総合窓口の中田輝樹氏が、生活困窮者と地域食堂への支援活動(食料の提供など)、鳥取医療生協理事の渡辺友範氏が、手遅れ死亡事例と無料低額診療事業について報告しました。