日本共産党西部地区委員会は2日、島根大学の保母武彦名誉教授を招いて、地方再生についての講演会を米子市で開きました。
保母氏は、地方自治の活性化は日本の社会変革の〝土台づくり〟だと強調し、住民側の「お任せ民主主義」と行政側の「請け負い民主主義」を打破して、住民参加・住民主体の地方自治の強化へ踏み出すよう訴えました。
安倍政権の地方創生は「集中と選択」で、政府が人口増加や経済成長を物差しに選別し、地方版総合戦略で成果を上げないところは、「努力しない自治体」として切り捨てるものであり、国や行政任せにしては地方が衰退すると警告しました。
巨大バイオマス発電や巨大風力発電問題について、個別に研究チームをつくって対応する必要があると指摘。その上で、再生可能エネルギーは地域資源・技術を使い、地元資本による地産地消の小規模分散型にして、お金が地域で循環し、流出させないことが重要だと指摘しました。
集落計画など、住民参加・住民主体の自治を活性化させるうえで、北海道の下川町の例を紹介。下川町は国有林を買って町有林として活用(林業、木材加工、熱源)し、1800万円の油代を節約しているとのべました。
下川町では、電気5・2億円や熱(ガス、燃料)7・5億円など地域外に流出している12・7億円を町内のエネルギーでまかなうことを目標にしています。また、断熱性の高いエコハウスの集合住宅エイリアをつくり、バイオマスボイラーで熱源を供給しています。