中国電力は10日、島根原発3号機の稼働に向けた適合性審査を原子力規制委員会に申請しました。福島第1原発事故後、新規稼働に向けた申請は建設中の電源開発大間原発(青森県)に続く2例目です。島根原発は唯一の県庁所在地にあり、30㌔圏内に島根、鳥取両県の約47万人が暮らしています。
3号機が稼働すれば、上の関原発の建設など新規稼働に向けた動きが強まり、21世紀の後半まで、国民は原発の危険にさらされることになります。
県内でも抗議の声が上がっています。
新婦人境港支部 三原真由美事務局長
原発そのものに反対です。福島原発事故のことを考えると、全ての原発を廃止してほしいと思っています。松江市で生まれ、原発から17㌔の境港市渡町に住んでいます。生まれ故郷も境港も放射能汚染されるのは嫌です。
リズム小組みで幼い子どもたちや若いお母さんたちに関わっています。境港はいいところだと家を建てた人もいます。この人たちを放射能から守らなければと思います。
境港市では8月から安定ヨウ素剤の事前配布が始まりました。飲むタイミングをまちがえると効かなかったり、効果が薄くなります。薬を飲まなければ、いけないような施設はいりません。お母さんたちと原発や放射能のことについて話し合っていきたいと思います。
地震に耐えられない!
境港革新懇 田中文也事務局長(元厚生省健康政策研究事業医療放射線の防護に関する研究班研究員)
3号機は、原子力規制委員会の更田委員長が1、2号機よりも脆弱性が高いと想定しており、いっそう危険です。3号機の新規稼働は全国の原発の新規増設に道を開くもので、許してはなりません。
福島第1原発は津波ではなく、地震によって送電線の設備が壊れたことが原因で全電源喪失が起こり、メルトダウンしました。建屋が水素爆発したのも、容器や配管から水素が漏れたのであり、地震によって破損したと考えられます。
電源喪失、水素爆発の原因が地震であれば、どこの原発でも起こり得るものです。
老朽原発の廃炉が大きな課題となっています。放射能に汚染されていない3号機は、シミュレーションに使える絶好の機材であり、そのまま保存すべきです。