【1月13日付】鳥取地裁で年金裁判 年金減額の決定過程に合理性なし

鳥取県の年金者組合の組合員ら42人が国に年金減額分の支払いを求めた訴訟の第10回口頭弁論が昨年12月21日、鳥取地裁(藤澤裕介裁判長)で開かれました。


 裁判は、憲法29条の財産権の侵害、25条の生存権、13条の幸福追求権の侵害について争っています。


 今回の口頭弁論には、原告提出の第10準備書面への被告側の反論が提出されました。


 原告側の主張は、特例水準(物価下落時に年金を減額せず維持)の解消を定めた平成24年改正法について、国会でほとんど審議されていない▽年金受給者の代表が審議の場にいない▽女性の低年金など実態調査を踏まえていない▽年金の減額以外に財源の確保(月額の上限62万円を協会健保並みの139万円にするなど保険料収入の拡大、国庫負担増など)、140兆円の積立金の取り崩しなどの選択肢が社保審議会や国会で審議されていない―など立法府の決定と判断過程に合理性がないというものです。


 被告側の国は、立法府には広範な裁量権が認められ、著しく合理性を欠く場合以外は、司法審査は抑制的であるべきなどと主張しました。


 口頭弁論では原告の男性(71)が意見陳述しました。


 男性は妻と合わせて月額約27万円の年金では、どちらかが介護施設に入れば生活は破綻すると訴えました。