【3月3日付】米子市で憲法講演会 9条守って世界平和に貢献を

 鳥取県西部の9条の会、安保法制反対の会、高教組など23団体の主催で2月11日、米子市で憲法講演会が開かれました。東京慈恵会医科大学の小沢隆一教授が「アベ9条改憲阻止と私たちの課題」と題して講演しました。約80人が参加しました。


 小沢氏は、自民党改憲案を国会に提出させていない世論と野党共同の力を評価した上で、安倍首相は改憲をあきらめておらず、今年が正念場だと強調しました。


 自民党の9条改憲素案は、日米の軍事協力を念頭に書かれており、「必要最小限度」ではない実力組織としての自衛隊を保持し、「必要な自衛の措置」を可能にすることで9条2項(戦力不保持、交戦権否認)を死文化し、集団的自衛権の行使に道を開く▽首相に統帥権を与えて米国へ軍事協力できる体制にする―ことが読めるとのべました。


 自衛隊の組織実態について、東日本大震災で指揮権がない陸自統幕長が部隊を動かしたり、陸自が日報隠ぺい問題で「日報があったと大臣に報告した」とリークし、「報告は受けていない」と虚偽答弁した稲田朋美防衛大臣を辞任に追い込んだり(大臣の首をすげかえたり)、部隊や防衛大学で凄惨ないじめがあることをあげ、「実力部隊が政治に服従していない。(人権・民主主義を尊重すべき国家公務員として)憲法が定着していない」として、「このような組織を憲法に明記して、米軍といっしょに戦うために、海外に出したらとんでもないことが起こる」と批判しました。


 緊急事態条項にも触れ、「有事のときに政令を制定できるようにして、政府が何でもできる権限を持ちたいということだ」と強調しました。


 教育に〝国の未来を切り拓く極めて重要な役割〟を持たせる改憲も、「国への忠誠心を植え付けることが目的で、9条改憲とセットになっている」と指摘しました。