【4月28日付】中林 鳥取市の農家と懇談 農業をつづけられる所得補償を

 日本共産党の中林よし子参院鳥取・島根選挙区予定候補は3月6日、鳥取市の専業農家や農業生産法人を訪ね、懇談しました。


 白川大介さん(38)は5年前、鹿野町の専業農家の男性(67)=現在の米作りの師匠=が後継者を探していたのを知り、東京から鹿野町に移住して弟子入りしました。


 師匠とは別に、小作料を払って水田を借りて米を作っています。6・5㌶の水田のうち3㌶は酒米を作っており、地元や和歌山の酒蔵に卸しています。単価は良くて1俵1万7千~1万8千円です。


 主食用は一部を農協に卸し、ほとんどが注文販売です。農協は1俵1万2千円と安値ですが、直販は玄米10㌔(白米9㌔)が送料込みで5900円です。


 ホームページ「白川さんちのおいしいお米」でネット注文が多いと言います。既存の農家と地元の消費者との売買関係があるため、地元での販売は控えています。


 今年、年間150万円の青年就農給付金(5年期限)が切れ、10㌃当たり7500円の直接支払交付金(戸別所得補償)が廃止されたのは、ダブルパンチだと訴えました。


 畔刈りのバイトも頼まれるとして、「農業は単純に産業として、もうければいいわけではない。農業は経営+公務の部分があり、地域を維持するためにお金にならない仕事も請け負っている。地域政策としての農業が考慮されていない」と指摘しました。


 中林氏は「スイスでは山岳地帯で放牧と牧草地を維持する(放置すると森林になる)ための営農に所得補償をして、アルプスの観光資源を守っている」と指摘。日本でも営農を続けられるように多面的機能にお金を出すべきだと強調しました。


 気高町の農業生産法人の山崎俊宏代表は、50㌶弱を耕作していると紹介。減反に対して直接支払交付金が出ていた昨年までは、米の作付面積が6割の30㌶で、転作作物の大豆が4割だったが、交付金が切れた今年は米の作付けが42㌶で、その他に白ネギやアスパラなどを作っているとのべました。


 「土地利用型の大規模農家は交付金(450万円→225万円→0円)でなんとかやってきた。なくなった今年は内部留保で赤字を埋め、来年から農業収益だけで黒字化できるのか、経営手腕が試される」と話しました。


 「農業は経営がなかったら楽だが、農業に100点満点はなく、50点しかとれない。リスクをしょう覚悟と夢の両方がいる」と指摘。次世代型の農業をめざすとして、10月から翌年の3月までの農閑期を休み、4月~9月の農繁期に働き、労働の生産性を高めたいとのべました。


 中林氏は従業員を専業農家として独立させるのかと聞きました。


 山崎氏は、社員は独立しないが、作物作りのノウハウをマニュアル化して地域に生産者グループを育成したいと答えました。


 消費税について、「税金をもらって納めるという本来、税務署がやるべき仕事を会社・経理がやらされている。国は仕事分の人件費を会社に支払うのが筋だ。複数税率をどう再配分するのか、簡単にしてもらわないと困る」とのべました。


 今後の展望について、「景観作物のヒマワリを1㌶植えて賑わいをつくり、観光農園でアスパラガス刈りができるようにしたい」と語りました。