【2月10日付】アツくやさしく 大平喜信

 山口県岩国市に「おおひら」という名の郷土料理があるのをご存じでしょうか。同市では、お正月などの祝い事には「岩国寿司」「れんこんの酢の物」などと並んで各家庭でよくつくられます。いわゆる鶏肉と根菜類などの煮もので、「大きく平たいお椀」に盛られて出されていたのが名前の由来なんだそう。


 先日岩国市の新春のつどいにうかがった際にも、何人かの方から「うちの〝おおひら〟もごちそうせんといけんねぇ」と声をかけられました。なんだかむずがゆい気がしますが、しかし、ますますの岩国の皆さんとの親近感を感じています。


 さて話はかわって、つどいでも街頭でもいま一番反応が大きいのは、やっぱり消費税増税の問題。「病院代がようけかかるし、年金は減ってたいへんよ」「10円、20円でも安いスーパーでと毎日買いものしとるのを安倍さんは知っとるんかいね」など皆さんから怒りの声が次々と寄せられます。さらに「万全の対策を」と導入が狙われている「軽減」でもなんでもない複数税率、あるいはポイント還元などがよりいっそうの怒りを呼び、「軽減」どころか社会の大混乱を招くとの不安を広げています。


 「オロナミンCは8%、リポビタンDは10%」「クレジットカードで買えばポイント還元するが現金ではなし。買う店によって還元率も違う」―もう訳がわかりませんね。例えば「みりん」はどうでしょうか。「本みりん」は酒類に入るということで10%ですが、「みりん風調味料」は飲食料品なので8%だといいます。そういえば「おおひら」にもみりんはかかせませんね。地域の郷土料理づくりにも混乱と障害をもたらす、本当に許しがたいしくみだと言わなければなりません。


 山陽小野田市の新春のつどいでそんな話をしていましたら会場から声があがりました。「そんな複雑な対策をするくらいなら、はじめから上げなけりゃいい!」――おっしゃるとおり。選挙で勝って増税阻止を。地方選は2月がいよいよ正念場です。