鳥取市9条の会・実行委員会主催の「平和と民主主義を考える市民連続講座」が14日、市内で開かれ、鳥取県人権センター次長の尾崎真理子氏が人権をテーマに講演しました。
尾崎氏は、人権は生来持っている権利で、憲法13条に代表されるように誰もが等しく行使できる、「生命と自由を確保し、それぞれの幸福を追求する権利」だと指摘しました。
一つの人権が奪われると他の人権も危うくなる相互依存関係にあると言及。教育を受ける権利がなくなると、貧しい家庭の子どもが必要な知識や技能を身につけることができなくなり、職業選択の自由が制限されるとのべました。
第1世代の自由権、第2世代の社会権の関係について、「資本主義になって農民は封建支配から逃れ自由な労働者になったが、資本家に生殺与奪の権限を握られ、奴隷労働を強いられた。少ない収入で親がけがや病気になれば、生活が成り立たなかった」として、国が「生存権、労働基本権と教育や福祉を受ける権利」を保障する社会権が必要になったと指摘しました。
憲法にある義務は人権を守るためのものだとして、勤労・納税の義務は「働いて税金を納めて財源をつくって国に仕事をさせるためのもの」だと強調しました。
参加者から「他国の侵略から国民の人権を守るための国防の義務は必要ではないか」と質問が出て、尾崎氏は「個人より国家が大事だという立場に立つと人権が制約される」とした上で、国民に国防の義務を課すべきではなく、憲法前文の精神に立って(国際社会の中で)解決するべきだと答えました。