【7月7日付】鳥取市9条の会「市民講座」 格差広げる社会保障の転換を

 鳥取市9条の会・「連続市民講座」(同実行委員会主催)が6月8日、鳥取市で開かれ、県保険医協会前事務局長の小田島耕郎氏が「今、改めて考える社会保障の役割」と題して講演しました。


 小田島氏は、格差と貧困の広がり、労働者の40%が非正規雇用、先進国中最高レベルの子どもの貧困率と最低の生活保護の捕捉率、低年金など、国民生活の現状と社会保障制度の貧しさについて指摘。「社会保障の持つ所得の多い者から少ない者に再分配する機能が失われ、貧困層が放置され拡大している」と強調しました。


 その背景に、社会保障制度改革推進法などによって国の責任を放棄し、社会保障を自助と共助の組み合わせに換え、もうけの対象にする国の方針があるとのべました。


 岩手県沢内村出身の小田島氏は、沢内村が1960年代初頭にゼロ歳児医療や老人医療を無料にし、沢内病院を一般財源で支えたことを紹介。「社会保障の目的は人々の幸せです。人々が健康で元気になれば、社会保障は赤字でも農業や産業が発展し、村全体を黒字にできます」と訴えました。


 参加者は、貧困層がいかに個人の尊厳が守られていないか、など話し合いました。