米子市で13日、市民と野党の合同街頭演説が行われました。
日本共産党の穀田恵二国対委員長、立憲民主党会派の今井雅人衆院議員、国民民主党県連の湯原俊二副代表(元衆院議員)、社民党県連の松本熙代表、新社会党県本部の門岡正福委員長、「市民連合」の中野晃一・上智大学教授、「住民目線で政治を変える会・山陰」共同代表の吉岡古都さんが訴えました。
穀田氏は、消費税増税を中止に追い込み、安倍政権を倒して、憲法改悪を阻止しようと訴えました。
年金問題でも老後資金2000万円不足問題を取り上げ、減らない年金(※)にしようと訴えました。
※ 党の提案=①高額所得者の年金保険料を引き上げる(保険料は年収1000万円までは年収の9%だが、それ以上は95万円の定額となり、年収1億円で1%しかない)②年金積立金200兆円を計画的に取り崩す(安倍政権は6年半で国民の年金を株につぎ込み53兆円を増やした。国民のために使うのは当然)③最低賃金の引き上げなど給与水準を引き上げ、正社員化をすすめ、保険料収入を増やす=を紹介しました。
農業について、食料自給率が最低レベル(38%)になったのは自民党の農業つぶしの政策=自由貿易(TPP、EPA、FTA)を広げ、農産物の関税を引き下げ、関税ゼロをめざす▽戸別所得補償10㌃当たり1万5千円を廃止▽1982年に3兆7千億円あった農林水産業の予算を2兆3千億円に減らした=がもたらしたものだと指摘しました。
漁業についても、企業の参入(企業に漁業権)を認め、大型船の漁獲枠を優先し、漁業者の9割を占める沿岸漁業者を締め出す、漁業法改悪についても批判しました。
自民党の二階幹事長が、土地改良事業関係者に「頑張ったところに予算をつけるのは当たり前だ」とのべたことに対し、国民の税金を私物化し、利益誘導することは許されないと糾弾しました。
今井氏は、安倍政権を倒すためにやってきたとして、「国民は、そのうち福島の原発事故を忘れるだろうと原発を再稼働する。老後資金は2000万円足りないという金融庁の報告書はなかったことにする。不都合な事実は、隠すのではなく正面から問い、解決するのが政治の仕事ではないか。こんな酷い安倍政権を変えるために野党が共闘するのは当たり前ではないか」と強調しました。
自分は岐阜県下呂市の出身だとして、10年間で4万人だった人口が3万人に減ったと紹介。一方で東京はどんどん人口が増えて1400万人になったと指摘しました。
東京一極集中は、大企業・金持ち優遇の自民党政治がもたらしたものであり、地方創生と反対のことをしていると指摘しました。
税のあり方について、「金持ちには税金を負けて優遇し、庶民には消費税の負担を押しつける。社会保障のためというなら、税金(保険料)を負けずに負担してもらおう。大企業の利益を中小企業に還元し、労働者の賃上げをする。そうやって地方を蘇らせる。安倍政権のやっていることはアベコベだ」と批判しました。
安全保障も、アメリカに言われて専守防衛を捨て、安保法制をつくり、アメリカを防衛する自衛隊に変えようとしていると強調し、「日本に自由と平和と暮らしの安全を取り戻すために市民と野党は一体でたたかっている。一緒に日本を変えよう」と呼びかけました。
湯原氏は、安倍政権は▽53兆円も外国支援を約束したとして、アメリカに1機130億円のF35を105機、イージス・アショア2基で6000億円など武器の爆買い▽加計学園の獣医学部新設のために補助金96億円と38億円の土地を無償提供するなど国政の私物化―を指摘。一方で国民は▽貯金ゼロ世帯が20%から35%に上昇▽子どもの貧困は7世帯に1世帯の割合▽20代、30代の非正規率は50%で年収200万円以下の世帯が増加▽生活保護の半分は高齢者世帯▽ひとり親世帯の貧困率は55%―を指摘し、「トランプ大統領や友人に税金を貢ぐ政治から、国民の暮らしを下支えする政治に変えよう」と呼びかけました。
さらに、アメリカが呼びかけるホルムズ海峡を守る有志連合に自衛隊が参加すれば、戦争に巻き込まれる危険があるとして、みんなで反対しようと訴えました。
国民生活を守り、自衛隊にアメリカの戦争の方棒を担がせようとする安倍政権をストップさせるために、安倍政権を倒そうと呼びかけました。
松本氏は、ホルムズ海峡に自衛隊を派遣することになれば、地獄の門を開けることになると派遣に反対し、9条を生かした平和外交をと呼びかけ。門岡氏は、安倍政権の違憲立法=秘密保護法、安保法制、共謀罪=を糾弾し、9条改憲、先制攻撃の装備導入、沖縄の辺野古新基地建設への反対を訴えました。
中野氏は、一部の人のための政治、改ざん、不正データ、女性蔑視(自民党衆院議員が現職女性議員に対し、一番の功績は子どもを産んだことと発言)を批判。吉岡さんは「6年も政権を維持してお疲れの安倍首相に、よく効くお灸をすえよう」と呼びかけました。