鳥取県弁護士会は6日、鳥取市で国家の家族介入をテーマに憲法シンポジウムを開き、約120人が参加しました。東京大学大学院の本田由紀教授が「国家がなぜ家族に介入するのか」と題して基調講演し、静岡大学の笹沼弘志教授を交えてパネルディスカッションしました。
本田氏は、安倍政権の「女性活躍」も「少子化対策」も、女性を経済成長や子を産む道具として位置づけていると指摘。国家が家族に介入する意図について「家族を国家のために子どもを育て上げる道具にするためだ」として、自民党が進める〝戦前の戦時家庭教育指導要項の現代版〟である家庭教育支援法案を批判しました。
同法案の背景に〝親が子どもにすべきことを定めた〟「親学」があり、教育再生会議や日本会議の「親学」推進、文科省の「家庭教育推進チーム」の組織化など、国家の家庭教育への介入が進められてきたことを紹介。国家は家族を通じて子どもの支配を進め、戦争に自ら参加する国民を育てることが目的だと警告しました。
笹沼氏は、自民党改憲草案について、国民に国防、富国の義務を課し、〝国に滅私奉公する人材を育てる〟役割を家族に担わせるものだと語りました。