【7月7日付】米子市で政治変革を求めて集会 国民の命と生活を守る政治を

 米子市で6月30日、今の政治を変えたいという人たちが集会を開きました。主催は「住民目線で政治を変える会・山陰」など2団体。(以下、参加者の発言を紹介します)

 吉岡古都さん(「住民目線の会」共同代表)
 一色に染まる政治ではなく、カラフルな政治にしたい。市民一人ひとりが行動する〝NO!〟の政治から〝YES〟の政治にしたい。私たちは15項目の政策を掲げ、その実現をめざします。


 第1項目は、消費税の10%への引き上げ中止です。年間所得1億円以上の人の負担率が、それ以下の人より低いという逆転現象が起こっています。金融所得への税率が給与所得などの税率より低いからです。富裕層、さらに巨大企業への優遇を改め、公平な税率を実現し、税収を確保します。


 日米FTAを中止し、戸別所得補償を復活して農業を守ります。


 時給1500円の最低賃金をめざし、智恵を集めて安心できる年金を確立します。


 保育、教育、雇用に関する予算を思い切って拡充します。


 LGBTsへの差別を解消し、女性に対する雇用差別や賃金格差をなくします。


 再生可能エネルギー中心のエネルギー政策をすすめ、原発ゼロをめざします。


 東アジアに平和の創出と非核化に努力します。日朝平壌宣言に基づき、北朝鮮との問題を解決します。


 憲法9条の改定に反対し、海外で戦争する自衛隊にしません。


 9条や専守防衛の観点から防衛費を精査し、国民生活に振り向けます。


 沖縄の辺野古新基地建設を中止し、普天間基地の返還、地位協定の改定で沖縄県民の人権を守ります。


 安保法制、共謀罪など憲法違反の法律は廃止します。


 統計調査の虚偽など、行政の情報捜査、ねつ造の全体像を明らかにし、残業代ゼロ法を廃止します。


 森友・加計問題、自衛隊PKOの日報隠ぺい疑惑を解明し、透明度の高い行政を確立します。


 国民の知る権利を保障するため、報道の自由を徹底します。


 自治体が自由に使える一括交付金を創設します。

 男性(62、農業)
 JRを退職して2年になります。大山町で母親と2人で生活しています。25軒の集落が21軒に減り、私が集落で3番目に若いため、川、神社、墓、古民家の掃除も1人でやっています。


 農家20軒中、田んぼを自分で耕作しているのは5軒しかありません。あとは、他人に耕作してもらっています。大山町は休耕田を使ってのブロッコリー栽培が盛んですが、トラクターの入るところしか栽培していません。細い道の先は入らないため、耕作放棄地が広がっています。


 農業の衰退が、地域の衰退につながっています。真剣に向き合うことが必要です。


 もう一つ、低賃金の問題があります。鳥取県は時給762円です。時給1500円にしても2000時間働いて300万円です。私は来年から年金を受けることにしています。年金機構で調べてもらったら年に110万円(厚労省によると年に120万円以下の人が50・4%)、月9万円しかありません。生活資金は月に25万円が必要です。一人身ですので、現在、88歳の母親の年金で暮らしています。


 農業と地域の衰退は止まりません。何とか衰退に歯止めをかけ、生活できる、もっと、住みやすい社会にしたいと思います。

 信原和裕さん(団体役員・僧侶)
 居宅介護支援事業所の役員をしています。いま、政府の方針で介護が必要な人が介護サービスを十分受けられなくなっています。


 団塊の世代が高齢化し、介護保険の対象者が急激に増えています。本来なら、人数に合わせて予算も増えていきます(自然増)が、自然増が抑制され、100人増に対し、30人分しか予算が付かない状態です。1人当たりの予算が下げられています。


 国や自治体行政は、体の状態に応じて認定されていた介護度の基準をどんどん枠を狭めて、要介護5だった人が3、3だった人が1、要介護だった人が要支援に介護度が落されています。ケアマネージャーに対して、行政が介護度を下げるよう指導し、従来通りのケアプランをつくると、サービスを削るよう指導されます。


 政府は自己管理して自立せよと強調されますが、年をとれば誰でも衰えます。


 いま、介護現場では施設を立てても、人手不足で運営できなくなっています。介護士や保育士の給与は、全職種平均より10万円安いため、成り手が不足しています。


 政府は消費税増税分を使って、1人月8万円上げると言っていますがまやかしです。1職場に8万円上がる職員が1人以上いるか、年収430万円以上の職員が1人いるようにするというだけのことです。介護報酬や支援費の底上げで、人件費を大幅に引き上げることが本来、やるべきことです。


 日本の税金の集め方、使い方は大企業、大金持ちには甘く、庶民に厳しいのが現状です。軍事費も湯水のように使われています。


 国や自治体は、一人ひとりの国民の命と生活を守るためにあるはずです。政治のあり方を変える必要があります。

 安田寿朗弁護士(「子どもの人権広場」代表)
 「子どもの人権広場」の会員の中に保育所の経営者がいますが、いま、保育所をやめなければならないような酷い状況になっていると言います。


 保育士が集まらないと言うのです。保育士が、企業主導型保育所にどんどん引き抜かれています。給与がいいからです。


 企業主導型の場合、経営者の裁量で保育士の給与を決めることができるため、認可保育所の保育士の給与より高くなっています(3歳未満児を預かる企業主導型の場合、施設の基準が緩く金がかからないため、人件費に回せる)。


 いま、米子市では企業主導型が蔓延し、従来の保育制度を蝕んでいます。子どもの成長と発達を支えるため、培われてきた保育の技術や制度が、崩壊の危機に瀕しています。まさに、政府による犯罪的な行為です。


 また、美保基地には新型空中給油機が配備されようとしていますが、航続距離9400㌔は、日本の防衛には必要ないものです。


 主権者である市民が、政治家にお願いする政治から、行動する政治に変えなければなりません。

 足羽佑太さん(32、倉吉市
 安倍政権の憲法無視の酷い政治には危機感を持っています。


 従来、憲法違反とされた集団的自衛権行使を閣議で認め、安保法制を強行しました。法律によって憲法で決められたこと=9条=を変えてしまいました。


 森友・加計問題、老後資金2000万円不足問題、隠ぺい、改ざん、ウソ、偽りが、政府によって、国民を代表する機関である国会の場で行われていることに怒りを表明しなければなりません。


 国交副大臣が安倍・麻生道路の建設に向けての調査費を〝忖度〟して予算化するなど、政治の私物化が横行しています。


 富裕層を優遇する一方で、消費税をどんどん引き上げ一般市民を冷遇する、弱い者いじめの政治です。市民の力で変えなければいけません。