被災者そっちのけの安倍政権
〝政治家とはリーダーではない。民主主義における指導者は我々国民。彼らは公僕であり、彼らが果たすべきはリーダーではなくレスキュー隊の役割〟と話すのは、浜矩子同志社大学教授。ある日テレビから聞こえてきた若い政治家の発言を聞いてそう感じずにはおられなかったと、最近の著書で書いておられました。
「レスキュー隊」と聞いてすぐに思い浮かぶのは、先日の台風15号による千葉県などの甚大な被害です。あの残暑厳しい中で停電が続くことは命にもかかわる重大な危険をもたらし、屋根が吹き飛びその上に毎週のように雨が降る中で住居の二次被害も広がりかねないことなど、誰が見ても国をあげた迅速な手立てが必要で、文字通り「レスキュー隊の役割」が求められていたことは明らかでした。しかし安倍政権はといえば、改造内閣のお披露目に明け暮れ災害対応の初動が大きく遅れるとともに、今もって対策本部の設置すらしていないというお粗末すぎる姿勢が露呈しています。
思い起こすのは一年前、西日本豪雨災害の際、「赤坂自民亭」と称した宴会に明け暮れていた自民党。その様子を最初にツイッターに投稿したのが今回初入閣となった西村康稔経済再生担当大臣といいますから、改造しても改造してもこの政権の国民そっちのけの姿勢はしっかりと引き継がれているようです。なにせ首相自身が千葉県よりもラグビー観戦を優先するような人ですから無理もありませんね。
国会論戦が始まる前からすでに破たんが明瞭なこの政権はやっぱり退陣に追い込む以外にありません。それに替わるのが野党連合政権です。「膨張する防衛予算を精査し、国民生活の安全に振り向ける」「生活を底上げする経済、社会保障政策を確立し、貧困・格差を解消する」「子ども、若者が健やかに育ち、学び、働くことを可能とする予算の拡充」(13項目の「共通政策」より)など、すでに国民の「レスキュー隊」そのものです。