【4月19日付】鳥取市にコロナ感染で申し入れ 感染経路の公表と速やかなPCR検査を

 日本共産党鳥取市議団は11日、市内の60代の男性が県内で初めて新型コロナウイルスに感染したことを受けて鳥取市に申し入れました。伊藤幾子、金田靖典の両市議が市役所で羽場恭一副市長に要望しました。


 10日夜に感染が判明した男性は、3月23~31日にかけ、同市の鳥取砂丘「砂の美術館」の砂像制作の外国人彫刻家ら17人を5回以上、市内の飲食店で接待しました。イタリア、カナダ、アメリカなど10カ国から来ていました。


 同市保健所は、男性の濃厚接触者の家族や医療スタッフなど17人にPCR検査を行い、陰性を確認。外国人彫刻家はすでに14人が帰国。残る3人とスタッフ1人に検査を要請しています。


 市は立ち寄った飲食店を明らかにしておらず、客が来なくなると繁華街に動揺が広がっています。


 市議団は、▽市民が不安を抱かないよう感染経路などの情報を公表する▽飲食店を含む関係者にPCR検査を実施する▽休業を余儀なくされる事業者に市として休業補償をする▽砂丘周辺の事業者の声を聴き対応する▽砂の美術館の内覧会の中止ーなどを要望。羽場副市長は「市の施設を休業にし、指定管理事業者には補償したい」と述べました。


 鳥取市は帰国した14人は各国の検疫を通っており、市は感染経路の可能性は「極めて低い」といいますが、PCR検査を受けたわけではなく、メールで症状の有無を尋ねているとしています。クラスターが発生した島根の例のように立ち寄った飲食店で感染した可能性もあります。


 安倍首相は11日、ナイトクラブやキャバレーなど従業員が近距離で客と会話する接客飲食店の利用自粛を全国に呼びかけ、東京など7都府県に全従業員の出勤者を7割に減らすよう求めました。


 接客飲食店の利用自粛は、国が店の営業補償(家賃などの固定費助成、従業員の休業補償など)をしないために、7都府県の店の従業員らが他県に流れたり、客が他県に流れており、感染の拡大が危惧されているからです。


 また、出勤の7割減は、損失補償が伴わなければ実効性に欠けるものになります。


 緊急経済対策に108兆円といいますが、企業などの税、社会保障費の1年納入猶予の26兆円、昨年の台風19号の復旧、復興費の19・8兆円など含んだもので、対策のための財政支出は39・5兆円(国支出25兆円)にすぎません。赤字国債も14・5兆円と比較的少額です。その中に在宅勤務支援などの経済構造構築の10・2兆円などが含まれ、実際の財政支出は特別会計を入れて18・6兆円で、家計や中小企業への給付は6兆円にすぎません。