民青同盟鳥取県委員会と日本共産党県委員会は3月31日、鳥取市で資本論の学習会を開きました。
市内で飲食店を経営する河合さんが「アジア食堂の店主が語る『資本論』」と題して講演しました。
河合さんは、資本論と向き合って学んだ内容を経営者の立場で語りました。
商品には使用価値と交換価値があり、同等の価値(交換価値)の商品が交換されることで市場が成り立つと説明。次に人類は、どんな商品とも交換できる貨幣を発明し、社会の構成員全てが貨幣は価値があるものと承認して市場(貨幣)経済が成り立ったと指摘しました。
さらに、素材(魚)に人間の労働が加わることで価値が付加され商品(魚のから揚げ)となる、すなわち商品の価値(漁師の労働の付加価値+料理人の労働の付加価値)は労働の投下量(総労働時間)によって決まると述べました。
労働の源泉である労働力も貨幣と交換できると説明しました。
料理人は1日に3万円の付加価値を生み出すが、店主は日当を2万円しか払わないと述べました。
労働者の労働力は資本家に買われ、労働力の使用によってその再生産費(労働力の価値)以上の価値=剰余価値=を生み出し、その剰余価値を資本家が搾取していると説明しました。
小資本家は、下請けの場合は大企業に中間搾取され、飲食店などはほとんど利益がなく、大企業の減税の穴埋めのために、消費税や国保税など国や地方行政を通じて中間搾取されていると述べました。その下で働く労働者は小資本家に搾取され、小資本家は大企業に中間搾取され、結局、労働者と小資本家の犠牲の上に大企業と富裕層の利益が成り立っていると解説しました。
少しでも搾取を緩和するために、所得を再分配して格差を是正するのが本来の政府の役割だが、自民党政府はその役割を投げ捨て、大企業や富裕層の利益を擁護する政治をしていると批判しました。
現在の経済状況(新型コロナウイルス感染防止のための外出や営業の自粛に伴う経済的損失。消費税増税による売り上げ減少)を考えても、大企業や富裕層に向けられてきた税金を使った経済的支援(税負担の軽減を含む)を中小業者や労働者に振り向けるべきだと強調しました。