日本共産党の岡本健三日南町議は12日、日南町の(株)オロチを訪れ、新型コロナウイルス感染症の影響について相見晴久常務と懇談しました。
オロチはスギ、ヒノキのLVL(単板積層材)を製造しています。製材用にならないB材の丸太をかつらむきして、2次接着なしに厚さ15㌢、幅130㌢までの加工が可能です。長さは9㍍までの柱・板の製品を製造できます。
通常は1次接着して厚さ1㌢以上の板を造って、それを2次接着して厚い柱・板を製造します。一連のプレス作業で厚さ15㌢の板を造れるのがオロチならではの特徴です。
特にスギの加工は技術を要し、他の合板会社から中板(両面に表板と裏板を貼る)を注文されることもあります。
相見常務は、日本全体の木材需要が減っていてハウスメーカーの引き取りも3分の1に減っており、製材品が減ってチップが増えていると述べました。
LVLの出荷量は25%減少し、スギの使用量は月に3千~3千300立米だと紹介。一方でヒノキは、森林組合から4㍍材を買い取り、1千立米の使用量です。通常スギ4対ヒノキ1の割合なので、スギが減りヒノキが穴埋めしている状況です。
株主である山主に利益を還元するために、スギ、ヒノキは森林組合から市場価格より高く買っています。現在、森林組合はスギの在庫を抱え、下請け業者からのスギの買取りはしていません。
コロナの影響で外国産材が入って来なくなり、ハウスメーカーが代替品(LVL)を求めていて、特に単価の高いヒノキのLVLが好調だと言います。
市場は、中四国3、関西3、関東3、中部1の割合で、関東まで浸透しています。使用するスギはほぼ町内産・県内産ですが、ヒノキの7割は広島など県外から買っています。
その理由については、ヒノキは曲がりやすいため、業者がオロチの取り扱う4㍍材で売らず、3㍍材にして新見の市場に卸しているためです。
町内の植林は、スギ7、ヒノキ3の割合ですが、町の木材市場での取引はスギ9、ヒノキ1の割合です。森林組合が買い取るヒノキの4㍍材も量が限られています。
相見常務は、4㍍材を3分割(1・3㍍×3本)して使うので(3㍍材では2本しか取れず無駄が出る)、曲がり材でも真っすぐな材として使えるので提供してほしい(オロチが県外から買わずに町内から買えば、町内産は割高で買うので町内が潤う。運送費も節約できて地元の利益になる)と述べました。
製材所は管柱(通し柱ではない)用に末口直径16~20㌢の丸太を買うが、オロチは製材所の買わない26~50㌢の丸太を市場価格より高く買って、貢献しているとも述べました。