【6月21日付】日南町森林組合と懇談 スギが消費されず在庫が痛む

日南町の日本共産党の久代安敏、岡本健三両町議は12日、日南町森林組合を訪れ、新型コロナウイルス感染症の影響について平田広志組合長と懇談しました。


 平田組合長は、▽コロナ不況で家計の購買力が低下▽ハウスメーカーの営業活動ができず、物件の見学や面談での交渉が抑制▽人口減少ーなどで住宅需要が落ち、木材が消費されていないとして、「仕事がなくて(自ら社長の)会社は5月に3週間休業した。持続化給付金を申請したが、月に経費が1000万円かかり、追い付かない」と苦境を訴えました。


 住宅需要について、昨年は着工戸数が約90万戸あったが、数年で約60万戸に減ると予測されており、今年、既にその数に達するかもしれないと述べました。


 平田組合長によると、森林組合は山主と森林経営委託契約を結び、森林経営計画を策定し国の認定を受けています。国の認定を受けないと間伐・搬出の造林補助金が受けられません。


 造林補助金は1㌶につき間伐率30~35%で約12万円(10立米)~約47万円(90立米以上)です。県の間伐材搬出補助金は、1立米当たり2600円です。


 森林組合は、約30の素材生産業者に仕事を発注しています。業者は、立木を伐採・搬出して丸太に加工し、森林組合が買い取るか、市場に出します。業者のうち4割が法人で、個人事業主は、個人操業(山主を含む)が多いです。


 山主は、木材の売り上げから業者に作業賃を払い、山主の配当=取り分=は木材価格に左右されます。
 木材の品質は、A材(製材用)、B材(合板用)、C・D材(製紙用・発電燃料用チップ)にランク付けされます。


 作業賃は、リース料などの固定費や人件費です。森林組合が高性能林業機械を購入して、業者に1台月約50万円のリース料で貸し出しています。自伐型を除くと各業者は、1台~5台を所有しています。


 平田組合長は、「スギの木材価格が年初の1立米9500円が7500円まで落ちた。ヒノキ(4㍍材)は業者から買い取ってLVL(単板積層材)用に(株)オロチに供給しているが、スギは在庫を抱えていて買い取りは中止している。この時期はカビや虫が湧くので早く売らないと製品にならない」と支援を要望。久代氏は、町が助成して売り先が見つかるように働きかけたいと応じました。


 平田組合長は「多くの素材生産業者が、木材価格が落ちて山主に配当できないので、休業するかヒノキの山に切り替えたり、少しでも利益を出すために雑木山(広葉樹)を切ってチップ会社に売っているが、減収が大きいので持続化給付金の対象になる」と話しました。