【6月21日付】淀江産廃処分場の問題点(3)

大山ふもとの自然環境と米子の水を守る会代表 山根一典

 次に、開発協定違反の問題についてです。


 県環境管理事業センターと環境プラントが決めた計画地は、環境プラントが一般廃棄物最終処分場として運営している敷地内です。そこは1992年に一般廃棄物処分場事業が計画された時に、米子市(旧淀江町)と環境プラントの間に「開発協定」が締結されており、第4条には「目的以外の用途に供してはならない」と定めています。目的の用途とは一般廃棄物最終処分場です。この土地を産廃処分場に変更することは協定違反なのです。県とセンターはこの「開発協定」の存在を住民や議会で指摘されて初めて認めました。法令順守を義務付けられている米子市長が沈黙し、協定違反を行っている当事者を見過ごすことは許されません。


 さらに、漁業権の問題について、淀江漁協(県漁協淀江支所)の漁業者の反対です。
 美保湾周辺で操業する淀江漁協の漁業者は、2017年7月に「処分場の排水が海に流れ込み、漁場汚染につながる事業は受け入れられない」と反対を表明されました。しかし、淀江漁協は関係住民ではないとの理由で無視されており、漁業者は「生活がかかっており、生態系への影響と処分場による風評被害が最も怖い」と「漁業権」を主張され、組合員93名中78名が県知事に対して反対の表明書を提出しています。この「権利」は誰も無視することはできません。    (つづく)