【8月2日付】鳥取県とトランスジェンダー女性が懇談 ホルモン治療に保険適用を

 鳥取市在住のトランスジェンダー女性(体は男性)は7月20日、鳥取県庁を訪れ、担当職員と懇談しました。日本共産党の市谷知子県議、伊藤幾子鳥取市議、塚田成幸党県書記長、新日本婦人の会県本部の田村真弓事務局長が同席しました。


 女性(40代)は二十歳の頃、自分の体の性に違和感を持ち、広範性発達障害もあり、心のバランスを取るのが難しく生活保護を受けていると述べました。


 女性は、性同一性障害の診療ができる医療機関が県内になく、岡山市の岡山大学病院とクリニックの2カ所に定期的に通い、性同一性障害であるか、どうかのカウンセリングを受けていると話しました。


 そのうえで、性別適合手術は保険適用だが、手術の前にホルモン治療をすると混合診療と見なされ、手術も保険が適用されず、全額自己負担となると指摘。ホルモン治療を行ったうえで手術をするのが基本で、女性の体になりながら女性として生活できるか(副作用もある)見極める必要があるとして、保険適用を求めました。また、レンタカー代が保護費から出ず、返還を求められると述べました。


 市谷氏は「ホルモン治療をしながら女性として生活できるか、段階を追って進めないと手術後に後戻りできなくなる」と理解を求めました。


 担当職員は「ホルモン治療だけの人もいる。相談者には手術までするのか、迷っている人も多い。手術後に大きな後悔をする人もおり、女性として生きていく強い意思が必要」と指摘し、保険適用の必要性を認めました。


 市谷氏は、手術をしないと戸籍変更できない点も指摘しました。