【8月9日付】鳥取県での国民平和大行進 首長らと核兵器廃絶で響き合う

2020年原水爆禁止国民平和大行進(富山ー広島コース)は7月9日、兵庫県から鳥取県に引き継ぎ、20日に島根県に引き継ぐまでの10日間を行動しました。今年は新型コロナウイルス感染防止のため行進は中止し、市町村役場を訪問し、ペナントの寄贈、原爆パネル展・上映会の開催、「ヒバクシャ国際署名」の推進への協力を呼びかけました。各地で核兵器廃絶で響き合う首長の姿がありました。


 岩美町の西垣英彦町長は「唯一の被爆国である日本は核兵器禁止条約を批准し、世界に向けて訴えないといけない。署名は自治会長会の場で取り組まれてみてはどうかと呼びかけたい」と答えました。


 鳥取市の深沢義彦市長は、非核平和展を本庁(コロナの影響で開催日は未定)と各総合支所で開く予定で、来場者に署名を呼びかけたいと話しました。


 若桜町では矢部康樹町長、川上守議長と懇談。矢部町長は「行政として皆さんと一緒に核兵器廃絶に取り組みたい。原爆ビデオの上映は公民館や人権センターでしたい。署名は役場で取り組みたい」と答えました。


 川上議長は、核兵器禁止条約の批准を政府に求める意見書について「原子力は人間の力でコントロールできない。原発も疑問を感じる。核兵器禁止条約は議会全体で何とかまとまればよいが」と話しました。


 智頭町の金児英夫町長は「被爆を体験したのは日本だけで、日本が発信することが大事だ。その自治体の一員としてできる限りのことはさせていただきたい」と答え。「戦争は人類を不幸にするだけだ。子どもたちの中に平和への思いを育てていきたい」と語り、署名は役場内で回すと述べました。


 八頭町の吉田英人町長は「原爆展を開きたいのでパネルを貸してほしい。平和な世界は町民の願いでもあり、戦争も原爆も2度と繰り返さないよう、皆さんと一緒に取り組みたい」と話しました。


 湯梨浜町では宮脇正道町長と懇談。宮脇町長は「原爆展は公民館で行う。署名も取り組む。戦争体験の引継ぎは大事で、語れる人が少なくなっており教育委員会と相談したい」と語りました。


 倉吉市は、職員24人が行進団20人を出迎えて歓迎集会を開催し、伊藤正三議長があいさつ。その後、石田耕太郎市長と懇談し、石田市長は「原爆展は検討する。そちらで開くなら応援する」と答えました。
 北栄町では松本昭夫町長と懇談。松本町長は「日本は核兵器廃絶の先頭に立つべきだが、(そうなっていないのは)情けない」と政府を批判。「原爆展は毎年図書館でしている。小学6年生の修学旅行は広島に行っている。署名も協力したい」と話しました。


 琴浦町では小松弘明町長と小椋正和議長と懇談。小松町長は「原爆展は公民館で。小学5年生の修学旅行は広島だが、今年はコロナの影響で大山を検討している」と話しました。行進団は、職員25人に見送られました。


 行進団は西部地区に引継ぎ。歓迎集会で町長や議長、米子市は総務部長、境港市は教育長らの歓迎を受けました。


 日吉津村では井田博之教育長が「昭和28年に小学6年生の修学旅行で広島に行って衝撃を受けた少年が、後に教育長になって昭和51年以来、毎年平和展を開いている」とあいさつしました。


 国民平和大行進県実行委員会の田村真弓事務局長は「首長らの『被爆国日本として核兵器廃絶の先頭に立ってほしい』という強い思いを感じました。直接、情勢や取り組みの到達など情報交換できたのはよかった」と話し、「さっそく三朝町から145人分の署名が届き、八頭町が有線放送で全町民に原爆展の開催をお知らする予定」など懇談の成果を報告しました。