鳥取市で8月23日、映画「蟻の兵隊」上映&池谷薫監督トークショーが開かれました。鳥取コミュニティーシネマ主催。
同映画は、終戦後に中国国民党の軍閥と日本軍司令官の密約で2600人の日本兵が残留させられ、国民党軍に編入されて共産党軍と4年間に渡り闘い、550人が戦死し、700人以上が捕虜となった問題をテーマに、兵隊だった奥村和一氏(故人)の残留問題の真相究明のたたかいと加害者としての苦悩を描いています。政府は、残留は「志願」だったと主張し、軍籍を抜かれていたため軍人恩給が出ません。
池谷監督は、銃剣で中国人を刺殺することが初年兵教育の一環として行われていたことや、奥村氏の「戦争とは人を殺すこと」という言葉を紹介。父親が広島の被爆者で被爆二世だと述べ、新型コロナ感染者や医療従事者への誹謗中傷、慰安婦像展示へのバッシング、森友公文書改ざんと赤木さんの裁判などをあげ、「残留問題の教訓は、国は嘘をつくということです。奥村さんも赤木さんも、国への個人の尊厳をかけた闘いです。日本は右傾化し、不寛容と排除が幅を利かせ、奥村さんが生きていたら戦争直前だと言うでしょう」と話しました。