国民大運動鳥取県東部実行委員会(川本善孝会長)は11月25日、鳥取市に医療・介護・福祉、子育てなどについて要望しました。
雇用創出について市は、現在緊急雇用で291人、ふるさと雇用で111人を雇用していると答えました。
参加者は、エプソンがソニーに譲渡される際に約600人が失業する問題で「近所の50代の男性が失業し、家族が路頭に迷う」として、再雇用の対策を質問。市は、独自対策はなく、県、ハローワークと連携して対応すると答えました。
市は、子宮頚がんワクチンは来年1月から半額助成(3回で2万4千円まで)、ヒブワクチン・7価ワクチンは国の動向を見ながら対応、インフルエンザワクチンは低所得者無料、2回接種の2回目は自己負担千円、妊婦検診は14回無料を継続すると回答しました。
国保加入世帯2万7942世帯(9月末)のうち、短期証が3・7%、資格証が1・3%、留め置きが9・6%だと答えました。
医療関係者は、高額療養費受領委任払い制度を国保完納でなくても使えるようにと要望し、「9割貸付では自己負担分を患者が払えないため制度を利用できず、病院が3割をかぶることになる」と改善を訴えました。
米子市女性団体連絡協議会は11月23日、米子市で松江生協病院女性診療科の戸田稔子医師を招いて女性医療の講演会を開きました。
戸 田氏は、女性特有の体や心の悩みに対し、女性医師が総合的に相談・診療にあたる女性外来の必要性について指摘。更年期障害などによる不眠・イライラ・う つ・のぼせ・頭痛・めまい・疲れ・冷え・腰痛などの症状で、病院を訪れた女性が各診療科をたらい回しにされ、症状を残したまま異常なしと診断される現状を
告発し、「カウンセリングのみの治療で半分は治癒する」と強調しました。
さらに、子宮頸がんと予防ワクチンについても講演。①子宮頸が んを引き起こすヒトパピローマウイルス(HPV)は16型と18型で6割を占め、20代、30代の女性で多く見つかる②ワクチンはこの2つを対象にしたも
ので、子宮頸がん検診(受診率20%と低い)は受ける必要がある③性交渉でウイルス感染するが、ウイルスは感染してもほとんど自然に排除される④何度も感 染する内にがんになることがある―と説明しました。
一方で、子宮体がんは、50代で肥満、妊娠経験のない女性がなりやすいと話しました。シンポジウムでは、更年期障害に悩む女性がホルモン治療で症状が改善したことを報告しました。
鳥取市の遷喬、久松、日進など10地区の自治会連合会は11月27日、庁舎問題を考える集いを開き、市民ら約220人が参加しました。
遷喬地区自治会連合会の浦木清会長が経過報告しました。
市は当初、市庁舎について耐震改修の方針でしたが、市報10月号で突如、新築について検討し速やかに方針を決定すると発表しました。
鳥取市議会は2009年3月「鳥取市庁舎等に関する調査特別委員会」を設置し、今年9月17日に最終報告を出しました。その概要は、①合併特例債を活用す
る②6カ所に分散する庁舎機能を1カ所に統合する③高齢化に対応し公共交通機関の結節点である駅周辺に新築するという意見が多数を占めた―などです。
市は「鳥取市庁舎耐震対策検討委員会」を設置し、今年6月~8月の3回の会議を経て、8月30日に報告書を市長に提出しました。その概要は、①耐震改修し ても耐用年数65年は延びない②20年後には新築が想定される③庁舎機能をまとめた新庁舎建設が望ましい④建設候補地は鳥取駅周辺(ジャスコ鳥取店に隣接
する市立病院跡地など)が多数を占めた―などです。
設計に約1年、建築に約2年がかかり、合併特例債の起債期限が2015年度で終わるため、来年の3月議会で方針決定すると見られています。
浦木氏は、「昨年12月の市議会の調査特別委員会中間報告では、直接市民の意見を聞く会など、市が情報公開して説明責任を果たし市民の合意形成をするよう
要請している」として、「市民に十分知らされず、あと3カ月しかない切羽詰まった状態で、約束が果たされていない」と強調しました。
さらに、駅南庁舎を残して新築すれば、統合する場合(実質負担33億円)と比べて10億円が節約でき、維持管理費を含めると65年間で92億円が節約できると主張しました。
なお、日本共産党は市議選で、耐震改修すれば10億円ですみ20億円節約できると主張しました。
鳥取歴史探訪クラブ主催の谷口肇氏、日ノ丸産業株式会社の藤縄匡伸社長、本通商店街の藤本茂理事長が意見発表しました。
谷口氏は、江戸末期に鳥取城に入城した池田光仲が城下町をつくり、現在までほとんど変わっていないと指摘。歴代の鳥取市政には街づくりの構想もテーマもな く、郊外にジャスコ鳥取北店の進出(2000年4月)・増床(07年10月)を許し、中心市街地を空洞化させるという大きな失政を犯したと強調しました。
そのうえで、「市庁舎の問題を市長や市議会に白紙委任してはならない。市に公聴会を各地で開かせるように要請しよう」と呼びかけました。
藤本氏は、市議選(21日投票)で争点にならず、市民に選択権がなかったことに不満をのべました。
さらに、鳥取大地震、鳥取大火を経ても鳥取市中心市街地の町並みが古くから変わっていないのは、鳥取城を中心にした街づくりが生かされ、(城跡前の)県
庁、市役所が中心になり、JR鳥取駅までの若桜街道を中心に商業集積がすすみ、中規模店が進出し、商店街が発達したからだと指摘しました。商業地は、すで にジャスコ鳥取北店エリアと湖山街道に移っており、市役所本庁舎が移転すれば、中心市街地の衰退に拍車がかかるとして「本庁舎移転に断固反対」を表明しま した。
藤縄氏は、駅北に市庁舎(1階にバスターミナル)を新築すれば、魅力ある都市空間になり、若者を呼び戻し民間投資を促進すること が期待できるとのべる一方、「私の住む河原町の総合支所が、いつかなくなることを心配している。そのときに備えて、分散する市役所の機能を集中することが 必要だ」と話しました。
意見交換に移り、参加者が次々と発言しました。
日 本共産党の角谷敏男市議は、2015年に925億円あった市の予算が20年には813億円に減る(合併の特例措置が終わり、地方交付税が40億円減る)と した市の財政見通しを紹介。「合併特例債は、市庁舎建設費の66・5%を国が地方交付税で補てんするというものだ。市の臨時財政対策債(残高240億円。 10年度47億円が加わる)さえ補てんされる保障がない」とのべ、市庁舎新築で借金を増やすべきではないと主張しました。
参加者は、① 耐震改修すれば10億円の負担で20年間もつ。市庁舎より古い県庁舎は耐震改修で、新築は納得がいかない②街づくりには100年の大計が必要。市民的合意 も得られておらず、急ぐべきではない③市の財政見通しが不透明で、市は説明責任を果たしていない④税・公共料金の市民負担が年々重くなっている。市庁舎よ
り市民生活応援に税金を使うべき⑤100億円の庁舎建設は県外大手が請け負い、地元業者が参入できず、地域経済の活性化につながらない―と意見をのべまし た。
市が4000人規模で実施するアンケートにつても、駅南の市立病院跡地への統合新庁舎建設を誘導するもので、結論ありきの形式的なものだとの批判が出ました。
日本共産党鳥取県委員会の岩永尚之県書記長、市谷知子、錦織陽子の両県議は11月29日、県に日米共同統合演習(12月3日~10日)の中止を政府に求めるよう要請しました。
応対した高橋謙司企画部長は、外交・防衛は国の専管事項であり、県が発言できる問題ではないと答えました。
錦織県議は、美保基地が演習に参加し、基地内で「被害復旧訓練」「強制着陸機対処訓練」「基地防護訓練」等をすることについて、「日本防衛ではなく、アメ
リカの世界戦略に自衛隊を組み入れるものだ」と指摘。北朝鮮による延坪島への砲撃事件など緊張が高まる情勢のもと、米韓共同演習に引き続き、日米で軍事演 習をしていっそう緊張を高めることはするべきでないと主張。自衛隊が市町村に文書で通知する一方で、県には電話一本だったことについて「県と県民を軽視す
るものだ」と抗議。「環日本海交流の立場から、政府に県民の利益を損ねると意見するべきだ」と話しました。高橋部長は、自衛隊への対応の改善を要請したいとのべるにとどめました。
日本共産党の小池晃政策委員長は11月17日、鳥取市に入り、市議選の各候補を応援しました。
小池氏は、党市議団の実績について①中学校卒業まで医療費助成拡充②同和事業の一般施策への移行③国保料の値上げを抑えるために一般会計からの繰り入れを主張し、市が初めて繰り入れて値上げ幅を縮小―などの実績を紹介し、市議選の政策を訴えました。
TPP(環 太平洋連携協定)について「世界は食料不足で困っているときに、日本が40%の自給率を13%に下げるような愚かなことをしてはならない」、外交について
「尖閣諸島も千島列島も筋を通して日本の領土だとちゃんと主張できるのは、日本共産党が過去の侵略戦争に反対したから」、政府の事業仕分けについて「米軍 基地のグアム移転7000億円や、役に立たない政党助成金こそメスを入れるべきだ」と強調。後期高齢者医療制度廃止について「政府は廃止せず、薄化粧をし て同じ制度をもっと対象を広げて出してきた」と批判しました。
議員を選ぶ基準を、①市の言いなりにならず住民の利益を守る②しっかりと農業を守る③女性の権利を守る―ことができる候補をと訴え、4人全員当選させて市民本位の市政に変えようと呼びかけました。
鳥取市議選(定数36、立候補45)は11月21日投開票され、日本共産党の角谷敏男(58)、伊藤幾子(45)=以上現=、田中文子(67)=新=の3氏が当選し現有議席を維持しました。金田秀己氏(57)=新=は健闘しましたが及びませんでした。
4 氏は、市庁舎新築を耐震改修にして節約し、①国保料の引き下げ②介護保険の負担軽減③特養老人ホーム、保育所を増設し雇用と仕事を創出④住宅リフォーム助
成制度⑤ごみ袋代値下げ―などの「無駄な事業を見直し、暮らしを守り雇用と仕事を創出する」政策実現のためにがんばると決意を表明しました。
得票は、伊藤氏が1708票(32位)、角谷氏1691票(34位)、田中氏1635票(35位)、金田氏1274票(40位でした。会派構成は、共 3(3)、公明5(5)、自民1(1)、民主1(0)、無26(27)です(かっこ内は前回)。共産党の得票数は6308票(得票率7・10%)で、前回 の7369票(7・74%)から1016票減らしました。投票率が57・20%と前回を3・89%下回り、「しんぶん赤旗」日刊紙、日 曜版を前回の7割台に減らしたなかで、前回票から後退したのは今後に課題を残しましたが、7月参院比例票の4679票(4・92%)の1・35倍を獲得し たことは、前進に転じる第一歩を築いたといえます。
アンケートには前回4年前の約4倍の430通の返信があり、要求はさらに切実になっ
ています。それだけに、市庁舎問題、雇用拡大、仕事おこし、市民生活支援や総合支所の機能充実、国立病院跡地問題など、要求実現運動を強め、日本改革の展 望を有権者の中に広げ、共産党を大きくすることが求められています。
激戦が予想される4月投票の県議選で、市谷知子、錦織陽子の両県議当選のためにもひきつづく奮闘が重要となっています。
鳥取県革新懇は開戦記念日の8日、鳥取、倉吉両市、八頭、湯梨浜両町でキャラバン宣伝に取り組みました。
日本共産党の小村勝洋県委員長、岩永尚之書記長、県革新懇の草刈司事務局長、鳥取市革新懇の中村宏事務局長らが国際問題の平和解決を訴えました。
小村氏は、戦後日本は朝鮮戦争、ベトナム戦争と戦争に巻き込まれる危険があったが、二度と戦争をしないと誓った憲法と日本国民のたたかいが許さなかったと訴えました。
県農民連の今本潔事務局長代理は、20年で25%の農家が農業をやめたが、TPP(環太平洋連携協定)は農家の9割をつぶすと反対世論の喚起を呼びかけました。
鳥取県東部地区母親大会連絡会は、JR鳥取駅北口で「赤紙(臨時召集令状)」ビラを配布し、日本政府に再び戦争をさせてはならないと訴えました。10人が参加しました。
新日本婦人の会鳥取県本部の田村真弓事務局長は、「日本をかつてのような〝戦争反対が犯罪になる国〟にしてはいけない」として、民主党政権が海外でアメリ カといっしょに自衛隊が戦争をできるよう海外派兵恒久法を制定し、財界の求めに応じて武器輸出3原則を見直して軍需産業を育成する危険な道に踏み出そうと
していることを告発しました。
さらに、イラク戦争の実態を示し、米軍への思いやり予算など、日本国民の税金でアメリカの戦争を支援することは許されないと糾弾しました。
公的保育制度を守り豊かな保育をもとめる鳥取県実行委員会は13日、鳥取市に保育所最低基準の緩和と新システムの導入に反対することなど申し入れ、懇談しました。下田敏美児童家庭課長らが応対しました。
下田課長は、子ども・子育て新システムについて、今は市が保護者に第3希望まで聞き園と交渉して調整しているが、直接契約では保護者に園と交渉する負担が 生じ、入園できる保障もないと指摘。今の所得に応じた負担のあり方を応益負担にするのは慎重に検討すべきだと答えました。
全国知事会が保育所最低基準緩和のための特区を提案したことに対し、「どこにいても基本的サービスを受けられるようにすべきで、自治体ごとに基準を変えるのはどうか。市長会で国に意見を上げたい」と話しました。
幼保一体化について、鹿野こじか園、河原あゆっこ園は幼保園(併設)だが、さくら幼稚園が認定こども園をはじめたと報告しました。
待機児童の対応については、「入園(4月)までの間、無認可保育園を利用してもらって保育料の差額補てんをしたり、入園できない旨の証明書を発行して育休を伸ばしてもらっている。申請は断らず全部受け付けている」とのべました。
病後児保育は、生協子どもクリニック、市立病院、他3園が保育室を開設しており、病児保育は、生協こどもクリニックが市内で初めて申請したので予算要求していると話しました。
参加者は、3園は定員が2人と少なく自分の園の病後児童で埋まり、実際に利用できるのは生協だけ、市立病院も病児保育を始めてほしいと要望しました。
下田課長は、臨時保育士の正規化と処遇改善について「市役所全体で職員を減らすなか、保育士だけを増やすのは難しい。日当が7460円で事務職の6620
円よりよい。民営化(2011年にわかば=福祉会、湖山=里仁会、13年に大正=指定管理者)で正規の比率を高めたい」とのべました。会事務局の石井由加利氏は、月収が14万円では人並みの生活はできない、せめて日当を上げてほしいとのべ、年度途中で臨時保育士が見つからない現状を指摘しました。
参加者は、子育て世帯が低所得であり、負担を軽減するために保育料を引き下げてほしいと要望しましたが、下田課長は、3歳未満児は国基準の8割、3歳以上児は7割にしていると答えました。
鳥取県米子市が学童保育(なかよし学級)の待機児童を解消するために、来年度から民間の幼稚園や保育園に補助金を出して学童保育事業を実施してもらう方針であることが7日、日本共産党の岡村英治議員の市議会一般質問で明らかになりました。
市は全小学校23校で、学校内の空き教室や専用施設、隣接する児童館で1~3年生を対象に学童保育をしています。定員は40人、運営は午後の4時間で、利用料は3500円に統一されています。NPO法人1箇所を除く22施設が公立で運営されています。
市こども未来課によると、今年4月現在で100人の待機児童があります。民間で学童保育を実施する場合、各園が専任指導員を配置することになると言います。
岡村議員談話
「待 機児童を解消するための一つの方法です。財政問題があり、民間に頼る方針が出たようです。公立の場合、指導員の質確保のため、募集条件を小学校教員か保育
士の免許を有することが望ましいとしています。放課後の子どもの健全育成がどこまで保障できるか懸念しています」と話しています。
日本共産党鳥取県委員会の岩永尚之書記長、定岡敏行、松尾好行の両境港市議は9日、境港市で県機船まき網漁業組合の浜本建二専務、境港水産振興協会の足立一男専務、境港商工会議所の門脇興治専務と懇談しました。
浜 本専務は、「TPP(環太平洋連携協定)で安い水産物が大量に輸入され、大中型まき網漁業の経営は大きな影響を受ける」として、老朽化した船の更新を支援 する「もうかる漁業創設支援事業」の延長、生産調整による減船補償制度の創設、輸入水産物の安全検査体制の強化を国に求めたいとのべました。
アジ、サバ、イワシなど境港の水揚げの8割は、まき網漁業によるもので、食料の安定供給のためにもまき網漁業を残したいとのべ、後継者対策への支援を要 請。「マグロの漁獲数のほとんどは30㌔未満の未成魚で、未成魚が国際的規制の対象になります。境港のまき網は、未成魚を獲らずに保護する努力をしていま す」と話しました。
組合には20経営体が属し、アジ、サバ、イワシはいったんトラックスケールで重さを測って冷凍にし、翌日良型のものを選別し市場に出しています。このやり方では鮮度が落ちます。大半は、養殖のエサやカニかご漁のエサになったり、中国で缶詰の原料になります。
足立専務は、TPPについて「もっと議論すべきで拙速な妥協はだめだ」とのべました。
秩序が乱れるのが一番いけない」と強調。日本の輸入枠が増えたら、外国船が魚を獲る量が増え、日本の領海内で漁場を荒らされるおそれがあると指摘しました。
漁業の現状について、境港の水揚げ金額が2008年208億円から、マグロなどの不漁で09年165億円に落ち込んだとのべ、エサや加工に回っているアジ、サバ、イワシにセレクターを導入して2割をその日の内に鮮魚に出し、魚価のアップをはかりたいと話しました。門脇専務は、「日本商工会議所は推進で動いているが、農業は反対している。一方がよくても一方が崩れたらだめで、バランスが大事だ。DBSクルーズは韓国向けで、日本人は利用勝手がわるい」と話しました。
岩永氏は、第一次産業は県の基幹産業であり、TPP加盟を阻止するためにがんばりたいと話しました。
鳥取市は10日、人権と福祉のまちづくり講演会を開き、NPO法人北九州ホームレス支援機構理事長・ホームレス支援全国ネットワーク代表の奥田知志氏(日本バプテスト連盟東八幡キリスト教会牧師)が講演しました。
奥田氏は、ホームレス支援の現場からみえてきた今日の日本社会の現状について語りました。
支援機構では、各教会の協力を得て第2・第4金曜日(12月~2月は毎週)に夜8時から炊き出しをしています。
2008年9月(リーマンショック)以前は、炊き出しに集まるホームレスは50代、60代が主でしたが、それ以降は20代、30代の若者が目立つようになりました。
いくつかの中間施設(半年ほど滞在できる)を作っていますが、どこも満杯で2カ月待ちの状態です。
奥田氏によると、派遣切りにあった若者たちは、家に帰るように説得しても「親が悲しむから。親に迷惑はかけられない」「帰るのは再就職してから」と、頑と
して帰ろうとしません。路上の青年たちは、話かけるとよく「死にたい」と言いい、こうなってしまったのは誰に責任があると思うかと聞くと「自分に責任があ る。自分の努力が足りなかったからこうなった。悪いのは自分だ」と答える、強い絶望と閉塞感にさいなまれています。
奥田氏は、95年に日経連が「新時代の日本的経営」の方針を出し、労働者の主体が正規雇用から非正規雇用に置き換えられ、自己責任論社会が始まったとのべました。
20代、30代の青年は、10代から自己責任論社会の中で生きてきて、家族にも他人にも「助けて」と言えない「自己責任論」の強い世代だが、これは日本社会全体(大人も子どもも)の傾向だと警告しました。
奥田氏は、自己責任論社会のどこに問題があるかを語りました。
「青年たちの(原因に対する)問いかけの矛先が、すべて自分に向かっています。かつての団塊の世代は、『国が悪い』『社会が悪い』『アメリカ帝国主義が悪い』とのべ、社会をよくする、国を変えることで解決しようとしましたが、今の青年は全部自分の中で収めています」。
奥田氏は、困窮から脱する責任のすべてが個人にあるとするのは、社会(助けが必要な人を他人が支え合うシステム)の否定であり、「他人を必要としない社会は崩壊する。人類の叡知は、人は助けが必要だという点に気づいたことだ」とのべました。
イラク拘束事件のとき、官邸もマスコミもいっせいに自己責任を唱えたことを引き合いに「国が関係ないと言う(国民を見捨てる)ことは、許されない。国の成 り立ちに反するからだ」とのべ、まず、国が社会的責任を果たすことができて、個人としての責任が果たせるのであり、社会的責任が放棄された状態で、困窮者
が自分の人生に責任をもつ(自立し、自分の人生を選び取る)ことはできないと強調しました。自己責任論は、新自由主義、小さな政府、競 争社会、格差社会などの問題を放置させてきた思想で、放置すれば無責任社会を広げることになると警告。自己責任論は、困窮者を助ける人にも「最後まで自分
の責任で面倒みろ」と自己責任を押し付けるもので、困窮者に関わることから人々を遠ざける効果もあると指摘しました。
自己責任論の前に 身内の責任論=子ども(親)の面倒を見るのは身内の責任だ=という考え方があり、日本の国を現在まで支配してきたが、「他人の力(近所、地域、友人、行政
サービス)を借りないと、子育ても介護も行き詰ることは、日本社会の現状が示している」とのべました。しかし、今の青年たちは、「身内に頼ることすらできない」=ハウスレス(衣食住、金、仕事などへの物理的困窮)であるとともに、ホームレス(家族、友人などへの関係の困窮)=の状態で、誰かがホームとなることを、社会が保障する必要があると主張しました。
奥田氏は、絆(きずな)には傷が含まれるとして、富(所得)の再分配と痛みの再分配についてふれました。
「500万円の負担を一人に負わせるより、1万人が500円ずつ負担すれば、一人分の傷は小さくてすみます。いま大事なことは、みんなが、いっせいに『助けて』と言うことです」
鳥取市の市役所庁舎建て替えが急浮上している問題で、市民から「同時期に建てた県庁は耐震補強工事で、なぜ市役所は建て替えなのか」という疑問が出ています。
コンクリート強度(圧縮強度試験・中性化試験)で見れば、市役所本庁舎は耐震補強(鉄筋コンクリート壁の増設など)で県庁舎並みの目標使用年数となる可能性があります。
国土交通省大臣官房官庁営繕部によると、国税庁の定める鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)構造の建物の減価償却期間が65年(2007年4月以降の建物は 50年)であるため、65年を建物の耐用年数にしているが、実際の構造物はコンクリートの①中性化試験(中の鉄筋がさびる)②圧縮強度試験③アルカリ骨材 反応(ひび割れの部分)の調査をする必要があります。
県庁舎について県営繕課は、「耐震診断でコンクリート強度の測定(表1)で良好との結果が出たので、目標使用年数100年(耐震補強工事後50年)を目安に維持管理したい」と話しました。
鳥取市の市庁舎は、コンクリート強度の測定(表2、3)をおこない、「本庁舎は設計基準強度を上回っているが、第2庁舎は下回っている」という結果になりました。
鳥取市庁舎耐震対策検討委員会の答申では、第2庁舎について「コンクリート強度が設計基準強度を下回っていることから躯体全体の強度を上げるため耐震補強をおこなうことが必要」となっています。
答申では、本庁舎を免震化し、第2庁舎を耐震補強すれば「20年使用できる」としていますが、補強しだいで使用年数を県庁並みにできる可能性もあります。
追記
日本建築学会編「建築工事標準仕様書・同解説」によれば、コンクリート強度が24N/m㎡の場合の共用限界期間は100年で、県庁本庁舎は7階を除けば 24N/m㎡以上で共用限界期間は100年、市役所本庁舎は1階を除けば24N/m㎡以上です。1階は21N/m㎡以上なの(18N/m㎡の場合が共用限 界期間65年)、共用限界期間は82.5年と考えることができます。つまり、82.5年以上は使用可能です。
鳥取県内でTPP(環太平洋連携協定)交渉への参加に反対する意見書があげられた市町村は、12月24日までに確認できたところで境港市、岩美、八頭、若桜、湯梨浜、北栄、琴浦、三朝、大山、南部、伯耆、日野、日南、江府の各町、日吉津村の15市町村にのぼります。日南町議会は17日に意見書を提出。主要6品目試算で日南町では71・4%も激減し、基幹産業である農林水産業に与える影響は深刻なものになると強調しています。
琴浦町議会は20日に意見書を提出。琴浦町では農業粗生産額の57・7%が喪失し、漁業や果樹、野菜などへの影響も加味すれば、関連産業への雇用喪失など地域経済を著しく冷え込ませる恐れがあると指摘しています。
境港市議会は16日、経済厚生委員会で新日本婦人の会(新婦人)境港支部の請願、鳥取県農民運動連合会の陳情を採択。21日に意見書を可決しました。
新婦人請願の紹介議員には、日本共産党の定岡敏行、松尾好行の両議員がなりました。
15日、定岡議員の一般質問に中村勝治市長は「わが国の第一次産業は、担い手の減少、高齢化、遊休農地の増大、水産資源の減少、価格の低迷など、構造的な問題を抱え非常に厳しい」とのべ、現段階での交渉参加に反対を表明しました。
伯耆町12月定例議会で17日、小児肺炎球菌、ヒブ、子宮頸がんの3種類のワクチンの接種費用を今年4月にさかのぼって全額助成する補正予算を可決しました。
日本共産党の幅田千富美町議は15日、町議会の一般質問で、3種類のワクチンを全額助成し、子宮頸がんについて高校生まで対象を広げるように提案し、森安保町長が実施したいと答弁。町は、16日の全員協議会で実施のための補正予算を追加提案する方針を示しました。
同町は、本年度から中学生の子宮頸がん(受診券)と5歳未満のヒブ(償還払い)のワクチンに半額助成。今回、全額助成の対象となるのは5歳未満の肺炎球菌とヒブ、中学1年生から高校1年生までの子宮頸がんで、受診券方式を検討しています。
補正予算額は615万円。国の交付金(助成の半額)を活用し、残りとさかのぼる部分を町の一般財源でみます。さかのぼる部分については償還払いをします。
町総合福祉課・健康増進室は、肺炎球菌は4万円前後、ヒブは4回接種で3万円以上、子宮頸がんは4万5千円程度かかり、子育て世帯の負担軽減になると話しています。
伯耆町につづき、鳥取市は24日、3種類のワクチンの接種費用を全額助成する補正予算を議会に提案しました(28日可決)。子宮頸がんは、今年4月にさかのぼって実施します。
全額助成の対象は伯耆町と同様で、事業費は2億586万円。市の負担は1億1308万円です湯梨浜町でも、宮脇正道町長が来年1月から3種接種の全額助成を実施すると表明。来年1月に臨時議会を開き予算を計上します。
市庁舎建て替え問題で揺れる鳥取市で12月22日、本庁舎(築46年)の耐用年数65年に明確な根拠がないことが日本共産党の角谷敏男議員の市議会一般質問で明らかになりました。
市側の新築をすすめる大きな理由の一つに「本庁舎の耐用年数は65年で、耐震改修(免震化工法)をしても残存耐用年数は20年で、二重投資になるから」があります。
角谷議員が65年の根拠をただすと、羽場恭一総務部長は、国土交通省大臣官房官庁営繕部監修の「建築物のライフサイクルコスト」(減価償却の考え方)と日本建築学会編「建築工事標準仕様書・同解説」を根拠にしたと答えました。
角谷議員は、日本建築学会の同書によると、鉄筋コンクリート造の建物の供用限界期間(大規模補修して使用できる期間)は、コンクリート強度(圧縮強度)に よって決まり、21(ニュート/平方㍉㍍)の場合は82・5年という数値もあるとのべ、目標使用年数100年で免震化工事中の鳥取県庁本庁舎と市役所本庁
舎の各階がともに21(N/mm2)以上のコンクリート強度があるという調査結果を示し、耐用年数65年が調査結果に基づかない数値であることを指摘しま した。
角谷議員が「65年が過ぎたら建物が使えなくなるか」と質問すると、市側は、耐用年数は個々の建物によって違うとのべ、建物が 65年以上使えることを否定しませんでした。また、設備の老朽化、機能面、経済面(修繕費用の増大など)から考えて65年以上は困難だと答えました。
日本共産党鳥取県委員会の岩永尚之書記長、青亀寿宏、石賀栄の両琴浦町議、党県農民運動委員会の今本潔氏は12月24日、琴浦町を訪れ、TPP(環太平洋連携協定)問題での町民集会を各団体に呼びかけ懇談しました。
琴浦町役場では、山下一郎町長らが応対しました。青
亀町議は、岩美町が農林水産業、畜産、消費者などの団体に呼びかけて町主催でTPP交渉反対の集会を開くこと、琴浦町議会が反対意見書を上げたことを紹介 し、「琴浦町の酪農が全滅するなど農業粗生産額の57・7%が喪失する」と指摘。石賀町議は、町の基幹産業である農林水産業が壊滅しては町が成り立たない
として町主催の反対集会を開くよう要望しました。
山下町長は「各団体から要望があれば、ぜひやりたい。TPP問題をテーマに町民が団結して、元気が出るような集会を考えたい」と表明しました。
JA鳥取中央東伯支所の種子光幸支所長、同赤碕支所の村上隆支所長、赤碕町漁協の祇園行裕組合長、琴浦商工会の山根俊樹事務長、東伯町土地改良区の松本正志理事長とも懇談し、町に町民集会を要望してほしいと要請しました。
岩美町は12月25日、TPP(環太平洋連携協定)への交渉参加に反対し日本の食を守る岩美町集会を開き、250人が参加しました。
岩美町が呼びかけ、JA鳥取いなば、田後漁協、県漁協網代港支所、県東部森林組合、県畜産農協、町議会、町農業委員会、岩美土地改良区、町水産振興対策協議会が主催に加わりました。
集会は、日本共産党の田中克美町議が議会一般質問で提案したのがきっかけでした。
榎本武利町長は「世界規模で食料が大きく不足すると言われるなか、交渉に突き進むなら日本の農業、地方の衰退は明らかだ」とのべました。
JA鳥取いなばの近藤儀徳組合長は「関税がなくなり、米60㌔が3000円で入って来ると、生産費用を1万1千円下回る。このままでは正月が迎えられない」と訴えました。
有限会社いわみ農産の北村凱男代表は〝補助金のためにコメを作っているのではない。コメの価値を認めてもらってこそ、国民の食料、水、環境を守る誇り、生産意欲がわく〟と発言しました。
消費者代表の山本克美町連合婦人会副会長は「食料自給率向上に逆行している。毎日、輸入米は耐えられない。子どもたちに安全で安心なものを食べさせたい」と訴えました。
県漁協網代港支所の生越日出夫支所長は、町の基幹産業である水産業を崩壊させるTPPに参加してはならないと強く訴えました。
民主党の川上義博参院議員が来賓あいさつし、「輸出が経済の半分を占める韓国と15%の日本はちがう。オーストラリアやアメリカに日本の農家は太刀打ちできない。毎年所得補償に10兆円がいる」と反対を表明しました。
市谷知子議員は、①国際競争によるエプソン・ソニー、三洋電機・パナソニックの合併から地域経済と雇用を守る対策②「子ども・子育て新システム」(新シス テム)③国に無料低額診療事業を院外薬局も対象にするよう要請④訪問介護員の私用車への駐車許可について質問しました。
市谷議員は、以前に平井伸治知事が投機マネーの抑制について答弁したこと、ソニーの盛田昭夫会長が企業が社会的責任を果たすためのルールを提案したことを紹介。エプソンやソニー、パナソニックに対する雇用と事業継続の要請についてただしました。
平井知事は、新自由主義の抑制や市場のもたらす弊害の除去のルールづくりが必要だという考え方に同意し、パナソニック、エプソンに対する要請で(雇用、事 業継続への)企業責任について一定の感触を得たと報告しました。県も出資して障害者を雇用する千代三洋について、三洋のELD撤退でサービス系の事業に転
換したが、事業の維持、継続に県として協力すると答えました。
市谷議員は、新システムについて市町村の保育実施義務がなくなり、私的契約、応益負担が導入されるなどの点を指摘し、公的保育を解体する新システムを中止し、現行制度を拡充するよう国に対して要請を求めました。
平井知事は、新システムは利用者の選択肢が増え、競争意識が働きサービス向上につながると答弁。障害児などが排除されないような制度にすればいいとのべました。
平井知事は、無料低額診療事業は要請があったことを国に伝えたいと答えました。
警察本部長は、11月30日から訪問介護員の私用車に路上駐車の許可証が使えるようにしたと答えました。
錦織議員は、①住宅リフォーム助成制度②TPP交渉参加への反対③DBS定期貨客船の見通し④日米共同統合演習⑤強度行動障がい者施設への支援について質問しました。
錦織議員は、秋田県の住宅リフォーム緊急支援事業について、経済効果は15・5倍あるとして、制度の創設を求めました。
平井伸治知事は「個人資産に資する住宅リフォームは実施しないが、耐震化リフォームは国の定額助成(30万円)に5~10万円を上乗せして実施したい」と答えました。錦織議員は、TPP(環太平洋連携協定)参加は世界が食料不足になっているときに、日本の農業に壊滅的打撃を与え、食料自給率を40%から13%に激減させるとして、知事の反対表明を求めました。
平井知事は、「農林水産業への影響が大きく国民的合意を得て慎重に議論をすすめるよう政府に申し入れた」と答えました。
錦織議員は、DBSクルーズフェリーについて貨物の低迷を指摘し、大口荷主には年750万円の運送費補助をしているなど優遇措置を批判しました。
山根淳史商工労働部長は、貨物は目標値の35%になると報告しました。
錦織議員は、北朝鮮の砲撃は許しがたい暴挙だが、日米共同統合演習は、軍事的緊張を高め、憲法の禁止する武力による威嚇に相当する可能性があり、中止すべきではなかったかと知事に所見を求めました。
平井知事は「防衛と外交は国の専管事項だ」とのべました。
おめでとうございます。菅政権は来年度予算案を閣議決定しました。「元気な日本を復活させる」という民主党の看板の菅首相がさびしげに微笑んでいます。
民主党の「新成長戦略」は、法人税率5%引き下げなど大企業・大資産家応援、そして米軍「思いやり予算」継続など、結局自民党政治の継続です。消費税の増税など許せません。一方、平井県政は、環日本海大交流に軸足をおき、誘致企業に最高50億円の企業立地補助金の外需依存。もっと県民の暮らしと営業を直接あたためる政策への転換が必要です。
私たち日本共産党県議団は、道理ある提案とみなさんの声を力に今年もがんばります。
新日本婦人の会鳥取支部の松本絹子支部長、柳明子事務局長は12月23日、岩美町の白ネギ農家の好意で、規格品外(未売品)の白ネギを収穫しました。(写真)
白ネギ約300本を収穫し、会員らに安く提供したいと話していました。
豪雪のため特産の白ネギが甚大な被害を受けた鳥取県米子市で、日本共産党の岩永尚之党県書記長、石橋佳枝市議は10日、白ネギ農家を訪ねて被害の現状と要望を聞きました。
JA鳥取西部弓浜営農センターで担当者と懇談。同センターは、米子、境港両市のネギ農家約450戸を管轄しています。管内で育苗ハウス、農機具用ハウスなど約70棟が倒壊しました。
白ネギは、葉折れの被害で規格外の物が多いため、雪害規格(通常の58㌢より短くする)を設定して京阪神に売り出す予定です。
岩永氏は、被害補償に全力をあげて取り組みたいと話しました。
担当者は「白ネギの他の産地(千葉、埼玉、茨城の各県など)に被害はなく、市場で不利になり安値は避けられない。猛暑で収穫が1カ月遅れた。冬ネギ(10月~2月)が収入の大半を占めるだけにダメージは大きい」と指摘しました。
懇談した白ネギ農家は「3つの葉がそろわないと規格品にならない。収穫機が使えず、手作業で雪をかき収穫したため、少ししか収穫できない」とのべ、低利融資や被害補償を要望しました。
日本共産党県委員会と県議団は7日、豪雪による漁船などの被害について県に要望しました
要望事項は、
①国に被害を受けた漁業者に対する直接支援と休業補償を求める
②国に激甚災害指定の要件緩和を求める
③低金利融資を受ける生産者に県が利子補給して無金利にする
④転覆・沈没したすべての被災者に対して引き上げ費用などの一部を助成する
⑤道路の除雪体制が脆弱になっおり、除雪体制を強化する
⑥緊急時の潜水夫確保の態勢を確立する
⑦休業補償、生活相談の窓口をつくることなどです。
年末から年始にかけ、記録的な豪雪(米子市89㌢、境港市72㌢)にみまわれた鳥取県西部では、農林水産業やライフラインに甚大な被害を受けました。
日本共産党は、岩永尚之県書記長、県議団、市町村議員団を先頭に4日から現地調査に入り、6日に有坂哲夫 農・漁民局次長、7日に山下芳生参院議員が現地入りし、関係団体や平井伸治知事と懇談して要望を聞くなど課題の解決に全力をあげています。
12月31日午後2時頃、国道9号でタンクローリーがスリップして上下線をふさぎ、1月2日8時半まで42時間余りにわたり、大山町から琴浦町の間22㌔で車両が渋滞。約千台の車両が立ち往生し、2千人以上が孤立しました。
JRでも特急スーパーおき5号が、山陰線御来屋―下市駅間で立ち往生するなど、乗客約千人が孤立しました。
送電鉄塔や電柱が倒壊して電線が切れ、米子、境港両市で1日から2日にかけて2万5千戸が停電し、水道が出ない(貯水タンクに水をくみ上げられない)、暖
が取れない(ファンヒーターやコタツが使えない)など、ライフラインが断たれました。県内で最大12万6千戸が停電したとみられています。
境港市で係留していた199隻の漁船が雪の重みでバランスを崩して転覆・沈没するなど、県内で268隻が転覆しました。農業被害は6日時点で、ビニールハウス(花壇苗、花き、シロネギ、野菜など。200棟以上が倒壊)や畜舎などの農業施設360棟以上が倒壊し、シロネギの
葉折れ、ブロッコリーの凍傷などによる作物被害を合わせて、約2億4千万円の被害額に上ります。果樹については現地に近づけず不明ですが、ナシやカキの枝 折れが懸念されています。
米子市から境港市にかけて美保湾に接する弓浜半島では、防風林として設置されたクロマツ林で5900本のクロマツが折れました。
地方交付税が1~2割増額される激甚災害が指定されるのは、修理が困難な5㌧以上の漁船が100隻以上の場合や、農作物の被害額が48億円程度以上の場合で、今回の被害は指定要件を満たしていません。
そのため、県は国に対して指定要件の緩和や特別な支援措置を求めています。
一方で、国は局地激甚災害の指定要件を緩和する方針を表明。税収が100億円以下の市町村が受けやすくなります。
廃業を余儀なくされている農・漁業者が出ており、農林水産業の生産者が再出発可能な支援が強く求められています。
党県委員会の岩永氏らは4日、漁船が転覆、沈没した境港市の現地を視察し、漁業者らと懇談しました。5日は、漁船の引き揚げ作業を視察し、県漁協境港支所(組合員198人)を訪れ、高見信悟支所長と懇談しました。高見氏は、こんな短時間に降り積もった雪は初めてだとして、「漁船保険ではカバーできない。設備も含めて船体を元にもどすには、9㌧船で自己資金が
1000万円~2000万円かかる。エンジン、電気系統(レーダー、魚群探知機、GPS、無線、イカ釣り機、集魚灯)などは高額になる」と話しました。
6日は、有坂農・漁民局次長が現地を訪れ、漁業関係者と懇談しました。
転覆被害を受け、5日に引き揚げたイカ釣り船(9㌧)の現場では、船主の兄(同業者)と懇談。船のテントに積もった雪に堤防の雪が北風で重なって重心が崩 れたとして「建造20年の船で漁船保険から七、八百万円ほど出るが、そこから引き揚げ費用約50万円、解体費用約80万円などが差し引かれる。新造船だと 8000万円程かかる」と話しました。
県境港水産事務所の松澤以尚所長は、「まず、引き揚げてエンジンを水洗いすることが先決です。潜水夫も足りません」とのべました。
山下参院議員は7日、平井伸治知事らと懇談し、国への要望を聞きました。
境港市では、県漁協の景山一夫組合長、中村勝治市長と懇談、米子市ではJA鳥取西部の谷本晴美専務、角博明副市長と懇談し、野坂康夫市長と接見しました。境港市で沈没した漁船、遊漁船の引き揚げ現場を視察し、被災した漁師らと懇談しました。
角副市長は、建設業の衰退でグレーダーなどの除雪機材を所有する業者が少なくなり、除雪能力の不足が交通マヒを招いたとして、市として除雪機材を所有し委託業者に貸し出す検討を始めたこと、そのための費用を特別地方交付税に求めることなど話しました。
平井知事は、年末年始の国道の渋滞について、消雪排水溝があれば今回の事態(トレーラーのスリップ)は起こらなかったと思うとのべ、漁船被害について「船 はエンジンがだめになったら大破です。激甚災害の指定など党派を超えて国としての精一杯の支援をお願いしたい」と訴えました。
山下議員は「漁船保険が適用されても数千万円の自己負担が生じるケースもある。生産者が再出発の意欲が出る支援が必要です。党派を超えて全力で取り組みたい」と答えました。
平井知事は、船の引き揚げや保険を超えた部分について県独自の助成も考えていると話しました。
鳥取県大山町で多くのビニールハウス、畜舎、鶏舎など農業用施設が雪の重みで倒壊した問題で、日本共産党の岩永尚之党県書記長と大森正治大山町議は9日、現地調査しました。
県内の農業用施設被害は約360棟で、2億3400万円の被害が生じています。
一行は、ビニールハウス16棟でバラ(切り花)を栽培する大原広巳さん(54)の元を訪れ懇談しました。
大原さんは、ビニールハウス6棟が全壊し、現況回復のためには約2000万円程かかるとみています。半分近くが共済から出たとしても1000万円以上の自己負担が必要です。大原さんは、無加温のビニールハウス8棟で春、夏、秋用のバラを作り、加温のビニールハウス8棟で秋、冬、春用のバラを作っています。今回倒壊した6棟は、いずれも無加温のハウスでした。
加温には灯油を使用。燃料代は年に三百七、八十万円ほどかかります。
無加温のハウスのバラは、2月から3月にかけて剪定し、ハウスの天井まで伸びたバラを腰の高さまで刈り取ります。
ハウス栽培を始めて20年余り、最初の4、5年はメロン、イチゴ、トマト、キュウリの野菜を作っていました。水田も1・5㌶を所有し、4月下旬から5月にかけて農繁期と、バラの出荷が重なります。台風で倒壊することはありましたが、雪でつぶれたのは初めてです。
バラは、アフリカのエチオピアやザンビアから安い輸入物が入るようになり、TPPには断固反対です。
大原さんは、バラの栽培をしている70歳近い男性のハウスも3棟の内の2棟が倒壊したが、倒壊したハウスはもうやめるのではないかといいました。
岩永書記長、大森町議はさらに、大山町で10万~15万羽のブロイラーを飼育する名和食鶏の枝谷純一社長、約100頭の肉牛を飼育する岡崎恭介さん(62)の被災施設を視察し、要望を聞きました。名和食鶏は鶏舎の2階部分がつぶれ、三、四千羽の鶏が圧死しました。鶏の被害は約200万円程度で、鶏舎の解体費用に75万円、補修に数百万円がかかります。
ブロイラーは、主に大阪と京都の食肉卸店に出荷しています。枝谷社長は、鶏舎は保険で修理できるが、これを機に、取引先を失うことが一番怖いと話しました。
岡崎さんの牛舎は、4棟の内2棟が全半壊して2頭が死にました。倒壊した牛舎にいた約30頭は農協の百頭牛舎に移しましたが、年間80万円の借り賃が必要で、今後百頭まで増やすためには資金が必要です。
子牛を買って肥育する場合、最高級レベルの枝肉A5の子牛をめざしますが、40~45万円の値段がして、なかなか元がとれないため、岡崎さんは、繁殖(子牛を産ませる)から肥育まで手掛けています。息子が後を継いでいますが、前途は厳しいといいます。
被災した生産者は、事業を立て直すための有利な融資、被害補償、速やかな共済の支払いを要望しました。
岩永氏は「再建の意欲が湧くような支援を国、県、市町村に求めたい」と話しました。
境港市では、豪雪のため特産の白ネギが甚大な被害を受けています。
日本共産党の岩永尚之党県書記長、定岡敏行、松尾好行両境港市議は11日、白ネギ農家を訪ねて被害の現状と要望を聞きました。
JA西部白葱(ねぎ)部会の門脇良吉会長は「部会には160人以上の生産者がいますが、冬ネギは葉折れで商品価値がなくなり、3月出荷分は全滅です。規格品には3㌔当たり850円までの価格補てんがありますが、規格外品にはありません」と話しました。
門脇会長によると、春ネギは雪に埋まり、成長が止まった状態で売り物になるかは不明。6月から収穫が始まる夏ネギは、ビニールの覆いがつぶれた状態で、うまく成長できない可能性があります。菅野静也さん(70)、渡部秀次さん(54)の親子は、従業員を使って各々6㌶と3㌶の白ネギを栽培しています。ビニールハウスが倒壊し、白ネギの苗、移植機、収穫機、皮剥ぎ機などが被害を受けました。
渡部さんは、200万円の被害だとのべ、ネギ被害は未曽有だと訴えました。
定岡市議は、規格外品の差額補てんなど被害補償に全力をあげて取り組みたいと応えました
日本共産党大山町委員会(大森正治委員長=町議)は17日、大山町の豪雪によるビニールハウス倒壊などの農業被害対策について、森田増範町長に被災した農業者への支援などを申し入れました。大森氏ら3人が参加しました。
大山町では、農業用ハウス190棟、牛舎4棟、鶏舎2棟、豚舎1棟が倒壊し、特産のブロッコリーの被害は1億円以上とみられています。白ネギ、ナシにも被害が出ています
大森氏は、ビニールハウスなど農業用施設の撤去・復旧への財政的支援、被災農家への生活保障、住宅リフォーム助成制度の早期実施、倒木処理への支援などを求めました。
森田町長は「農業を生業としている人が多く、県と連携して支援したい」と答えました。住宅リフォーム助成制度については、2、3月中に提案して、どこまで遡って適用するかは、議会と相談したいとのべました。
住宅リフォーム助成制度は、大森氏が昨年6月議会で取り上げて創設を訴えたものです。事業費の20%(半額は町内で使える商品券を支給)、上限20万円を助成などが考えられています。
豪雪による漁船の転覆・沈没被害、白ネギなどの農業被害に見舞われた境港市で、日本共産党境港市議団(定岡敏行、松尾好行の両市議)は13日、中村勝治市
長に被災した農漁業者への支援を申し入れました。岩永尚之党県書記長、被災したイカ釣り船(3㌧)船主の男性(77)が参加しました。
定岡議員は、船の引き揚げや修繕、ハウスなど農業施設の撤去や新設への助成、被災家屋の修繕や倒木処理費用への助成などを要望しました。
船が沈没した男性は「夕方5時までに雪かきをして夜10時に来たら浸水していた」と述べ、同僚の9㌧船の船主について「漁船保険を使っても1500万円以上の自己負担が生じ、集魚灯を入れ替えた際の借金300万円がそのまま残っています。漁業再開までに半年かかる」と支援を訴えました。
中村市長は「水産業は境港市の基幹産業です。生産者が水揚げしてはじめて、荷受け、仲買い、加工、流通業が成り立ちます」とのべ、県と協調して2・8㌧以上の漁船を対象に引き揚げ費用、漁船保険を超える復旧費用についての助成と無利子融資を検討したいと答えました。
日本共産党の錦織陽子鳥取県議と岩永尚之党県書記長は13日、豪雪で特産の白ネギに甚大な被害が出た米子市で、7㌶の農地で白ネギを生産している農業生産法人を訪れ、社長(47)と懇談しました。
社 長は、猛暑のため秋冬ネギの成長が遅れて大半が収穫できずに年を越し、これから本格的に収穫、販売する矢先の被害だったと話し、「葉が折れて商品価値がな
くなっています。稼ぎどきの被害だけに収入的にきびしい。6反のトンネル(ネギの苗をビニールで覆ったもの)の半分近くがつぶれて、6月の出荷も間に合わ
ない」と夏ネギへの影響も懸念しました。葉が地面に垂れているため収穫機が使えず、クワで掘り出す作業に手間と時間がかかり、出荷しても他地域から入っているため安値取り引きになるとのべました。ハウスの倒壊など施設にも百万円の被害が出ていると話し、直接補助など被害補償を求めました。
錦織県議は、学校給食や加工品への利用、消費者への理解と協力、被害補償に全力で取り組みたいと話しました。
TPP(環太平洋連携協定)について、社長は、強い農業をめざしているが資材費(鉄パイプ、肥料、農薬、燃料、農業用機械など)にコストがかかりすぎ、国外に打って出る気にならないと現状について述べました。
平井伸治知事は14日、年末年始の豪雪で被害を受けた農漁業者に対し、15億円規模の緊急支援対策を行うと発表しました。
転覆・沈没した2・8㌧以上の漁船(11隻)の引き揚げ・修復費用から保険適用分を除いた自己負担額の3分の1を補助します。倒壊した農業用ハウスなどの農業用施設の撤去・復旧費用にも自己負担額の3分の1を補助します。
残る自己負担額の3分の2は、地元市町村や漁協、農協などの支援を見込んでいます。
2・8㌧未満の252隻は、2月補正で対応し、補助申請を受け付けて同様の補助制度を適用します。転覆船の引揚げ作業の一環として、遊漁船の引き揚げも補助の対象とします。
白ネギやブロッコリーを規格外商品として販売するための補助500万円も盛り込んでいます。
漁業者の休業補償対策として、既存の融資制度を利用し、1・5%の利率のうち0・5%を県が、残りを県漁協と市町村が0・5%ずつ負担して、無利子にする方針です。被災農家に対しても、県と農協、市町村が利子負担して、経営安定資金を無利子融資します。また、商工業者の運転資金支援策として低金利の融資を創設しました。
日本共産党鳥取県委員会と関係地方議員は、豪雪直後から、農漁業関係者への聞き取りをして被害実態を調査、自治体に救済を要望してきました。山陰地方豪雪被害対策で日本共産党国会議員団は13日、松本龍防災担当相に申し入れました。
7、8の両日に山陰地方の被害調査をした山下芳生参院議員、高橋ちづ子衆院議員、仁比聡平前参院議員が申し入れ、紙智子参院議員秘書が同席しました。
議員団は、被害の全容把握を急ぎ、甚大な被害を受けている農漁業への支援策を講じ、国の補助対象外になっている米子、境港両市、日吉津村への除雪費用への弾力的な財政支援を行うことなど6項目を要望しました。
山下氏は「雪で多数の船が転覆しており、大きな船は数千万円の自己負担になり、漁業をやめざるを得ないという声が出ている。島根のイチゴやブドウ農家は、 ビニールハウスがつぶれ、10㌃当たり1千万円の被害が出ており、共済に入っていない農家も多く、このままだと産地がつぶれてしまう」と報告しました。
さらに「ブドウだと成木になるのに4、5年かかる。農漁業ともに再建までの休業補償と生活支援が欠かせない」として、再建の意欲を引き出す支援を訴えました。
松本大臣は「現地までの調査に感謝する。要望は、しっかり受け止めた。前例がないことであり、勉強させていただきたい。今後も共産党として提案してほしい」とのべました。
日本共産党鳥取県議団(市谷知子、錦織陽子両県議)は17日、平井伸治知事に2011年度予算について要望しました。
緊急要求として豪雪被害対策を要望。市谷県議は、沈没した漁船の修復費用への補助など県の支援策に感謝の意を表し、「被災した農漁業者を励ます大きな支援です。生産者個人の〝自己責任論〟の流れに一石を投じるものです」と述べました。
錦織県議は、国も漁船沈没被害について局地激甚災害指定の要件緩和の検討を始めたことを紹介。倒壊したハウスでの営農を高齢などで続けられない場合の撤去費用の補助、再建までの休業補償として生活費の給付などを求めました。平井知事は「提案があったので、借り入れ済みの資金の返済猶予なども参考にしたい」と答えました。
錦織議員は、生活保護申請者が電気・ガスなどのライフラインを止められたことに対し、経産省通達(事業者は福祉行政と連携し、生活困窮世帯への料金支払い延期、滞納による供給ストップへの対応を柔軟にする)を示して事業者への指導を求めました。
平井知事は、実態を調べたいと答えました。
市谷県議は、国保一世帯当たり1万円の支援を要求。平井知事は「国保は県として責任を持ってもよいと考えているが、国のやり方は単に負担の押し付けだ」と述べました。
市谷県議は、身体障害者福祉協会からの「150万円の収入があった自動販売機の管理が指定管理者制度になって別の業者に移された。何とかしてほしい」という声に応えるよう要望しました。
平井知事は、発注者(県)と受注者(指定管理者)との関係で協議したいと答えました。
日本共産党は鳥取市で16日、米子市で17日、新春のつどいを開きました。鳥取市で110人、米子市で70人が参加し、それぞれ市谷知子県議、錦織陽子県議が決意表明しました
錦織県議は、豪雪のため沈没した漁船、倒壊した牛舎やバラ栽培のビニールハウスの現場、漁協や農協、甚大な被害を受けた白ネギ農家などを訪問し、農漁業者にお見舞いと要望を聞いてまわったことを報告しました。
山下芳生参院議員が現地を調査して平井伸治知事と懇談し、「このままでは国民・県民の大事なたんぱく源と食料が失われてしまう。現地の声を伝え、現行制度 で足りない部分は党派を超えて切り開き、被害に合われた生産者が再建できるよう尽くしたい」とのべたことを紹介。平井知事が、被災した漁船、農業用ハウス
の自己負担額の3分の1を県が補助する支援策を発表したことを評価しました。
「住民の苦難あるところに共産党あり」の精神でこの4年 間、燃油や肥料の高騰に対する助成、中学校卒業までの医療費助成などを実現してきたことを強調しました。また、生活保護認定や保護費支給までの日数を短
縮、不公正な同和行政・教育終結を主張、建設業を守るために県発注の公共工事の最低制限価格85%(予定価格の)を90%に引き上げさせたことを報告しま した。
市谷県議は、平井知事が被災した農漁業者への個人補償に踏み出したことに敬意を表し、農漁業者に個人補償しない背景に農産物を輸出したいアメリカ、工業製品 を輸出したい財界・大企業に追従する農漁業破壊の政治があったが、「個人補償は、農漁業を個人の問題ではなく、国民の食と命を守る問題として位置づけるこ
とであり、アメリカ・大企業いいなりの政治を転換する第一歩となる」と強調しました。
外国の貨客船に2億円、誘致企業に50億円を支援する外需・大企業依存の平井県政を批判し、県民の暮らしと福祉優先の県政に転換するために日本共産党の議席を守ってほしいと訴えました。