【12月20日付】鳥取市で過労死防止対策シンポ - カローシゼロの社会を

 厚生労働省は11月22日、鳥取市で過労死防止対策のシンポジウムを開きました。


 鳥取大学医学部・精神科医師の杉江拓也氏が基調講演し、高橋真一弁護士が過労死等防止対策推進法と大綱について説明。全国過労死家族の会兵庫県代表の西垣迪世さんが体験談を発表しました。


 杉江氏は、7人に1人はうつ病にかかり、管理側が早めに対応することが必要だとして、個人のストレスを組織レベルで解消するよう求めました。


 うつ病になりやすいタイプは、几帳面、完璧主義、真正直(メランコリー親和型)、頑張り屋で自分の中に閉じこもる(執着気質)などがあり、周りの気遣いが必要で相談できる雰囲気が大事だとのべました。


 そのうえで①治療を受ける(薬と休養)②回復初期が要注意③焦らない④職場復帰は緩やかに⑤良くなってもすぐに薬をやめない―など留意点を指摘しました。


 西垣さんは、IT関連で働いていた息子の死について、背景に企業の利潤追求があると指摘。職場のほとんどの人がうつ病で増員もなく、完治していないのに過重労働が課せられ、一人で納期に間に合わせようとしていたと報告し、企業社会のあり方を告発しました。

【5月17日付】鳥取県メーデーー戦争する国づくり反対

第86回メーデー鳥取県集会は1日、鳥取市で開かれ約500人が参加しました。JR鳥取駅まで「戦争する国づくり反対」「残業代ゼロはいやだ」など唱和しながらデモ行進しました。


 主催者を代表して、県労連の田中暁議長があいさつ。松本光寿弁護士、日本共産党の岩永尚之県書記長が来賓あいさつしました。


 田中議長は、安倍政権は戦争立法、正社員ゼロ・残業代ゼロ法案をねらっているとして、共同の力で阻止しようと呼びかけました。


 松本弁護士は、日本は集団的自衛権でアメリカの他国への干渉戦争に武力をもって加担することになると批判しました。

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【12月7日付】鳥取市で過労死をなくす鳥取県のつどい いかに長時間労働をなくすか

 1日施行された過労死等防止対策推進法を受けて11月30日、「過労死をなくす鳥取県のつどい」が鳥取市で開かれました。


 全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表世話人が基調講演し、過労死弁護団全国連絡会議の高橋真一弁護士が法の意義と内容について説明。高橋弁護士の司会で、寺西氏、産業医の井上雅勝氏、県中小企業労働相談所「みなくる」管理運営マネージャーの中西紀夫氏、米子高専の加藤博和准教授が意見交換しました。


 1996年に飲食店の店長だった当時49歳の夫を亡くした寺西さんは、夫がバブル期の実績を短期間で取り戻すノルマを課せられ、社長から連日過度な叱責を受け、人件費節約でサポートがないまま、顧客開拓の営業、他店の仕入れ管理を命じられ、年間4000時間以上の過重労働をこなしたが、ノルマを達成できずに小規模店に降格されて、不眠等体調不良を訴えても認められず、自死に至ったことを報告しました。


 夫が「しんどいけど、やりがいがある」仕事で過労自死したこと、国は労災を認めたが、損害賠償を求めた裁判で会社が責任を認めようとしなかったこと、労災や訴訟の申請書を書くうえで労働時間の把握や労働実態を証言する協力者を得ることの困難さを語りました。


 そして、今また、長時間労働をこなす息子が「今会社が大変なときで会社を助けたい。やりがいを感じている。若いから大丈夫」と言うことを聞かず、心配していると話しました。


 井上氏は、担当する事業所で月の残業時間が70時間を超える労働者を面接指導したところ、うつなどの精神障害が非常に多かったと指摘。「過労死(脳・心臓疾患、自死)は、長時間労働など過重労働がベースある。月の残業時間が80~100時間を超える労働者は、労働安全衛生法で産業医の面接指導が義務づけられているが、守られていない」と忠告しました。


 中西氏は、サービス残業が増えていると指摘。「名ばかり管理職」や「帰ろうとすると、上司から〝明日の準備〟はと言われて帰れなくなる」などの例をあげ、「早朝出勤して始業時間前にタイムカードを押す、タイムカードを押してから残業する」などで労働時間の把握がむずかしいとのべました。


 閉会あいさつをした県労働委員会の太田正志会長は、過労死が起こる背景についてふれ、「労働力を商品として搾取の対象にする資本主義では、労働者は資本の利益のためにいくらでも働かされる。規制が必要だ」と強調しました。

【10月12日付】県と労働局にじん肺キャラバン要請 8時間労働指導すると労働局

「なくせじん肺」全国キャラバンは3日、鳥取県と鳥取労働局に対してじん肺根絶のための取り組みを要請しました。労働局労働基準部監督課の担当者は、トンネル建設労働者の8時間労働を実現するために指導することを約束しました。
 要請には、鳥取県労連の堀尾結美事務局次長、建交労山陰支部の前田吉朗特別執行委員、同中国地方協議会労災職業病部会の梶岡寛之事務局長、同島根県本部の大西修執行委員長、同岡山県本部の朝倉彰子副執行委員長が参加。県の担当課、労働局の担当課が応対しました。
 梶岡事務局長は、労働局に対して「坑内労働者のじん肺をなくす」ためには、粉じん濃度低減と暴露時間の短縮が必要であり、工事費積算は8時間労働に改正されたが、現場は(特別条項付き)36協定が抜け穴となり10時間労働になっていると指摘。「36協定は恒常的残業を認めるのか」とただし、8時間労働実現を要請しました。
 監督課の担当者は「36協定は、臨時的なものに限られる。法違反にならない場合も8時間労働にするよう取り組みをすすめたい」とのべました。
 県は、先駆的なアスベスト対策である石綿健康被害防止条例について説明しました。
 生活環境部水・大気環境課の担当者は、条例に基づき無届けの解体現場を取り締まることが可能になったとして、「条例でアスベストの事前調査結果の保存を義務付け、事前調査なしの無届け解体工事にストップをかける権限を持てた」と話しました。

【10月5日付】県西部建設業協会と錦織県議・大門参院議員が懇談 職人・技術者が育成できる労務単価を

 日本共産党県委員会は9月16日、県西部建設業協会と懇談しました。小村勝洋県委員長、錦織陽子県議とともに大門実紀史参院議員が米子市の同協会を訪れ、同協会の下本八一郎会長、松浦幸盛、永東康文両副会長が応対しました。
 下本会長は、労務費の公共工事設計単価が普通作業員で1万2500円と全国最下位(全国平均1万5570円)で、上がって来たがまだ低いとして改善を求めました。
 さらに、予定価格の90%程度の最低制限価格の引き上げを求め、「設計単価より10%低い受注になる」と矛盾を指摘しました。
 異常気象による土砂災害等の増加、公共事業5%増加が話題となり、協会側は「仕事はあっても職人や技術者が足りなくて受けられない」「一定量の仕事が続く見込みがないと人が雇えない」「低単価・低賃金では人は来ない」とのべました。
 大門氏は、更新時期を迎えたインフラの修繕や建て替えが必要で、賃金を保障したうえで職人や技術者の育成、作業員の確保が大事だと強調しました。
 小村氏は、危険カ所などの災害防止、災害復旧に建設業の育成は必須だと指摘。錦織県議は、難工事の設計単価見直しを働きかけたいと話しました。